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そして大団円

かなちゃんの口から聞かされた言葉は、俺の理性を一瞬にして崩壊させる程の破壊力を持っていた。 「啓太に……啓太に触られるようになってから、自分の手じゃ……その、イけなくなってしまって……」 「え……」 ーーーなにっ!? イけない?つまりは射精できなくなったってこと? 俺に触られるようになってから、自分の手じゃダメって……。 裏を返せば俺の手じゃなきゃダメってことにならないか? 何なの本当に。かなちゃん……!! やばい……。どうしよう。……勃つ! かなちゃんは俺の顔色を窺うように、ちらちらとこちらを見ながら話を続ける。 「だから……、もう結構前から啓太のことは、え……エッチな目で見てたし。顔も体も俺と違ってカッコいいし憧れる」 !!! エッチな目!?それに俺をカッコいいって……。 これってまさかのまさか、両想いってやつじゃないのか? 「でも、だからといって、啓太のように純粋な好きって気持ちじゃなくて。好きは好き、なんだけど……」 え……?どういうこと? ラブの好きじゃないけど、エロイことはしたい。みたいな? 頭が混乱しそうだった。 純真潔白なかなちゃんのイメージに霞がかかりぼやけだす。 ある意味ショッキングな告白だけど、真っ白な天使のかなちゃんがピンクな小悪魔に変わっただけだ。 第一かなちゃんが好きでもない奴とエロいことをしたいだなんて思うわけない。 好きの種類なんてこの際後回しだ。 どっちにしたって可愛くて、可愛すぎて、ほんとに困る。 愛おしいよ、かなちゃん。 「男として、それと同じくらい、弟としても好きっていうか……。引くよね……」 「かなちゃん……」 「啓太には、ずっと、兄ちゃんって呼ばれたい。おかしいだろ。……兄ちゃんって呼ばれながら弟とエッチなことしたいなんて。これじゃまるで変態だ」 ……わかるよ。 背徳感に酔いしれたいその気持ち。 真面目なかなちゃんには受け入れ難いことだったに違いない。 きっと沢山悩んだことだろう。 俺だってかなちゃんが兄じゃなきゃここまで興奮していなかった。 俺もかなちゃんも似た者同士だ。 「変態上等。俺はその一歩先を行く変態になるから安心して!」 「啓太……」 「あーもう、信じられない。どうしよう。夢じゃないってこと確認させて?かなちゃん失恋したって泣いてたけど、あれは俺に失恋したと思い込んだってことでいいんだね?だったら俺達、両想いってことでいい?兄ちゃん?」 「…っ……うん」 かなちゃんは頷いて、恥ずかしくなったのか額をぐりぐり押し付けながら俺の胸に顔を埋めた。 耳が真っ赤に染まっている。 俺は愛おしいこの兄をぎゅうっと抱きしめた。 「ずっと一緒にいようね、かなちゃん」 「うん……」 俺はタイミングを見計らってかなちゃんの頬を手で挟み、顔を上向かせる。 お互いの間に引力が働いているかの如く、自然と引き寄せられて、ゆっくり唇を重ね、キスを交わした。

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