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第75話

どう考えても、全ての反応が初で、キスにも戸惑っていたかなちゃんが経験豊富な恋愛の達人なわけがない。 変な勘繰りしてごめん、かなちゃん……。 俺は心の中で謝った。 「考えたって、何を?」 「エッチは……流石に一緒に暮らす父さん母さんに申し訳ないというか、すごく罪悪感を感じるというか……」 「うん……。確かに」 言われてみれば……。 これまで育ててくれた両親が俺たちの関係を知ったら……。 それだけでなく、この家の中でそういうことをしてしまったら、目撃される恐れもあるわけで。 それを考えると天まで昇っていった幸せが一気に降下していくようだった。 「あ、ごめん。暗くなっちゃったね。大丈夫だよ?父さんと母さんのことは俺に任せて」 「え……」 頼りない顔つきになっていたのだろう。 かなちゃんが兄の顔で俺を見て、優しく微笑む。 「それでエッチのことだけど、もっと大人になって自立して、俺と啓太、二人で暮らせるようになったら……しよ?それまで俺、ちゃんと上手にできるように練習しておくし。お尻の穴も広げて、啓太を受けとめられるようにトレーニングしておくから。ね?」 「お、お、お……!」 「啓太?」 おしりの、あ、あな~~~っっ!? 「け、啓太、鼻血っ!」 かなちゃんが慌てて俺から離れてく。 俺は興奮による鼻血を出してしまったが、それに気づかないほど、かなちゃんが後ろを一人、拡張作業する様を妄想した。 あの白くて男にしては若干丸くてぷるぷるした尻に、かなちゃんは自分で手をかけるのか!? 指でも突っ込んで拡げるつもりなんだろうか。 それとももっと太い大人のオモチャ的なアレコレを使って……? いやちょっと待って。尻穴拡張って、具体的にどうすんの?俺も知らないや。 っていうかそんな知識、かなちゃんどこで入手した!? かなちゃんのグレイトキュートな小尻を想像して、色んな疑問を思い浮かべていると、かなちゃんがティッシュボックスを持ってきて、俺の前でティッシュを3枚引き抜き俺の顔に押し付ける。 「わぷっ」 「啓太!これ!あぁもう、トレーナーについてるってば、ほら、ちゃんと持って鼻押さえて!」 慌てふためくかなちゃんを見ながら、俺は聞かずにいられない。 「ねぇ……」 「え?」 「お尻の穴使ってエッチするとか、エッチする前に穴を拡げて準備するとか、どこで覚えたの?」 「あ……え、と……」 かなちゃんがあからさまに視線を逸らす。 これは何かある。あやしい! 俺は鼻にティッシュを突っ込み、かなちゃんの肩をがしっと掴んで逸らしたかなちゃんの目を引き戻すようにじっと見詰めた。

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