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第76話
「……わかった、話すよ」
俺の目力に観念した様子で小さくため息を吐き、かなちゃんが俺を見詰める。
なに?
何だろう?
焚き付けといてナンだけど……ちょっと聞くの怖いんだけど。
「その……、神崎に色々教えてもらったんだ」
「え……えーーーーー!?」
な、なんで!?なんでよりによって神崎先輩なんだ!?ほんとにかなちゃんと先輩はどういう関係!?
どうしてもいけない方に勘ぐってしまう……。
「しっ、啓太声大きい」
「え、あ、ごめん?いやでもそれどころじゃない!なんでこんなエロ情報を神崎先輩から教えてもらったの!?俺と一緒に調べればよかっただろ!?」
顰めた顔でかなちゃんを半ば睨みつけるようにして見ていたが、目の前のかなちゃんは、そんな俺を見てにこっと、ふわっと優しく微笑んだ。
「うん、そうだね。今度からは啓太と調べるよ。神崎に教えてもらったのって訳があって……。昨日俺は啓太に失恋したと思って神崎に泣きついたけど、神崎は直接フられたわけじゃないんだからまだ失恋したとは言わないし、もしかしたら今後必要かもしれないからって男同志のやり方を教えてくれたんだ」
え……?
なんだよ!
神崎先輩ただのいい人かよ!?
「そ、そうなの!?でも、教えてもらうにしても具体的過ぎない?お尻の穴拡げるだなんて!」
「別に実践した訳じゃないよ。本当に。雑誌とか見せてもらって教えてもらっただけ」
「そう、なんだ」
にしても、雑誌とか見せてもらって……?
どういう……。……あ。
「あの……かなちゃん、神崎先輩はそっちの人なの?男同志が大丈夫な人っていうか……」
「あぁ、まぁそうだったみたい。俺も知ったのはつい昨日のことだったからちょっと驚いたけど、こんなこと相談できるのは神崎しかいなかったし、神崎も俺にだったら実は男同士も大丈夫だってこと話せるっていうから、こっちも隠し事なしで腹を割って話せたんだ。神崎には感謝してるし、啓太にも神崎を悪く思わないでほしい」
「うん……」
「だから俺はこれからも神崎の親友だし、これからは啓太の……その……恋人……でもあるし……。ね?」
「~~~っ、うん……」
赤く頬を染めたかなちゃんの微笑みは凶悪なまでに可愛らしく、改めて恋人と意識すると、身体も顔も熱くなり、頭が沸騰しそうなほど恥ずかしかった。
あ、でもまてよ。
お尻の穴拡張って……、男女間ではありえない男同士の一大イベントじゃない!?
そんなことかなちゃん一人にさせてよいのだろうか?
その場面を想像すると俺の息子がまた大変なことになるし、それはそれでエロくていいけど……。
いや……、ダメだろう。ダメ!ダメです……!!
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