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第3話

一人取り残されたこの部屋で唖然とする莉羽。 だってファーストキスだぞ!! それをさらりと昴は奪いやがったのだ。 しかも彼は男。 ………でもそれほど嫌悪感はなかった、寧ろ…… あれ……なんで………? すると昴と入れ違いで誰かがドアを開けた。 「莉羽~来てたんだ~。」 「あ、優里。」 このヘラヘラとした甘いマスクの彼はこの紅蓮の人気No.2の優里。 チャラくて人当たりが良い上にイケメンだから この仕事は天職だ。 そして昴とは同期でツートップでこの店を支えている。 「どうかしたの~? なんか考えちゃって。」 「いや~………」 どうしよう…… 昴にキスされた~なんて言えないし…… 「何何?気になるじゃん!!」 「ん~あのさ~、男にキスされても嫌だって思わないのって………ホモなの?」 「されたの?」 「いや……別に………」 「昴?」 「え、なんで?」 なんで分かるのこの人?エスパーなのか? すると彼は眉間に皺を寄せ何かを考えた後莉羽に顔を近づけてきた。 え、っと思ったのも束の間でキスされていることに気づいて頭が真っ白になる。 そして唇を離すとこんなことを言い出した。 「腹立つ。」 「はい?」 「莉羽は俺が目をつけてたのに。」 「は………?」 ……どういうことだ? まさかの言動に思考が停止する。

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