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第7話

ピピピピと目覚ましの音が鳴り響く広い寝室の中、上半身裸の優里は布団を被りながら目覚ましの音を止める。 「眠い………」 普段ならまだ寝てる時間なのだが今日は早めに起きる。 何故ならそりゃ念願の莉羽とのデートだからだ。 午後からの莉羽とのデートに女の子とのデートより念入りに準備をする。 こんなに楽しみなデートは初めてでつい鼻歌まで出てしまう。 準備も出来、少し早いが待ち合わせの場所へ向かうがやはり少し早く来すぎたようで莉羽はまだ来ていない。 暫くすると向かいの信号のところに莉羽がいるのが見えた。 「優里! もう来てたのか、待った?」 「いや、待ってない。」 「そ、じゃ、行こうか~」 莉羽はいつも学校帰りに紅蓮に来るから制服しか見たことなくて だから私服楽しみだったのだが…… ダサい……… 白いTシャツに何故か大きく黒字で阿鼻叫喚と書かれている。 何なんだ、この服は。何故に阿鼻叫喚なのか。 一体どこに売っているんだ。 「なぁ何処行くの?」 「うん。服買いに行こっか。」 このままじゃなんか嫌だ。 折角綺麗な顔してんのに服ダサいって…… いや、莉羽は何着ても可愛いけども。 お洒落な優里にとってこれだけはどうも許せそうになかった。 「いらっしゃいませ~」 綺麗なお姉さんが出迎えてくれたブランドショップに莉羽は緊張してしまう。 自分じゃこんな高級なところに行かないから優里はこう言う服が好きなんだなと後ろから着いていくしかなかった。 「ん~どうしようかな~」 「何が?」 「莉羽はどういうの似合うかな~って」 「え、俺の服? 別にいいよ。」 「ダメだってダサいもんその服。」 「ダ、ダサ………」 莉羽は自分の服がダサいなんて自覚していないようでショックを受けている。 でも自分好みに染めるのっていいよねなんて優里は胸を高鳴らせた。

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