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第16話
昴が莉羽を何処かに連れていったきり中々戻ってこない。
まさかと嫌な予感がしている探しに行こうかとも思ったのだが暫くしてようやく昴が戻ってきた。
けれど莉羽が一緒じゃない。
「莉羽は?」
「ああもう帰らせた。」
「そう………」
莉羽を優里と居させたく無いからと帰らせたように思えた。
けど、そう簡単に引き剥がせると思うな 。
「優里。」
「何?」
「俺は莉羽が好きだ。」
「知ってる。」
「だから渡さない。
けど……俺は莉羽の意思を尊重する。
お前と関係を持とうと俺は莉羽を離しはしない。」
「…………あ、そう。
なら絶対手に入れてやる」
莉羽とヤったと言えば離れると優里は思っていたがこの男は意外にしつこいらしい。
けど今更莉羽を手離したりしない。
こんなに誰かを好きになったのは初めてだから
奪われたくないんだ。
優里は一度執着すると絶対手放さないだろうと昴は思う。
きっとどんな事をしても莉羽を手に入れる。
だから媚薬まで持ち出したんだろうが生憎昴自信も執着心は強い。
莉羽がいくら優里と寝ようが構わない。
心が自分の元に少しでもあるならそこを突くまでだ。
「お前は勝手にすればいい。
俺は俺で好きにさせてもらうから。」
「……あっそ勝手にすればいいけど俺は負けない。」
最終的に莉羽が判断することだ。
どんな結果でも受け入れる覚悟でいる。
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