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第17話

いつものように莉羽は紅蓮へ裏口から入る。 昨日悠里にデートの暴露されたり昴にまたキスされたりしたけど懲りずに飄々と来るのがこの単細胞の莉羽だ。 「莉羽お前今日も来たのか。」 「別に誰も邪魔とか言わねぇし。」 莉羽がまたここに来ていると知って溜め息をつく店長の父。 そしてその後ろには見たことない男の人がいる 俺が誰だろうと首を捻るとそれに気付いた父が紹介してくれた。 「こいつは龍、明日から働いてもらうことになった。」 「ふ~ん。」 そして父が俺を紹介しようとしたところでここのスタッフから呼ばれた。 「悪いが龍、ヒマなら今日はこいつ、莉羽の相手してやってくれ。」 「え?ちょっ……」 なんか店の方で客とトラブルがあったらしい。 じゃあなと親父はここから立ち去っていった。 そして二人ここに取り残され龍は戸惑っている だってどう見てもここの従業員ではない子供がいるのだから。 「……おい、お前何? なんでこんなところにいんだ?」 「う~ん……ヒマだから。 てか龍は明日からここで働くんだ?」 「………なんか答えになってねぇし。 まぁ、家は母子家庭で妹が来年高校生になるから金がいるんだよ。 お前には分からないだろうがな。」 そう適当に答えるが正直目の前の少年をどうすればいいのか分からない。 すると彼は少し考えると龍に話し始めた。 「金に困ったこと無いからそれはわかんねぇけど俺も片親だから全く分からないわけじゃないと思う。 うちは母親がいないんだけど。」 「そうなのか?」 「ああ、さっきの店長俺の親父。」 「はぁ?」

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