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第19話

龍は妹の学費を手っ取り早く稼ごうとホストと言う職業を選んだ。 クラブの店長と面接をしてそれが終わった後の事だった。 一人の少年がいた。 話を聞けばなんと店長の息子だと言う。 それに自分と同じ片親で寂しい思いをしたはずなのにそれにすら気付けていない。 なんだか不敏で放っておけない少年だと思った。 そして今日からここ、紅蓮で働くこととなった。 この日も莉羽は来ているみたいだが莉羽と会う暇などない。 雑務やら何やらでまでやらされ忙しいし兎に角飲まされる!! ありえないほど飲まされるのだ。 元々16,7のころから飲酒していてアルコールも強い方だから大丈夫だろうと思っていた。 だが甘かった。 こんなに飲んだことなどないと言うほど飲まされ途中トイレに行って吐いてしまった。 「おえ……気持ち悪っ!!」 でもそろそろ戻らないとと、立ち上がった時だった。 「あ、龍!!」 「莉羽!!」 そこには莉羽がいた。 大分夜遅い時間だがまだいたのか。 「大丈夫?凄い辛そうだけど。」 「はははっ……ちょっとヤバいかもな。」 「そうなんだ……」 すると莉羽は俺の背中を擦ってくれた。 「あ、そうだ!! ちょっと待ってて。」 そう言ってタタタッと走って行って1分もしない内に戻ってきた。 「はいこれ!!」 莉羽が俺の前に差し出したのは胃薬だった。 「頑張ってね龍。」 笑顔でそう言って早く戻らないと怒られるぞ~と言われ胃薬を手に戻った。 「やべぇなこれ………」

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