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第20話

莉羽は父の持ち物から胃薬をパクっ……もとい、拝借して酒でベロベロになってた龍に渡した。 龍には頑張ってほしいから。 それと今日は遅くまでここにいる。 理由は昨日龍があんなこと言うから…… 寂しいなんて考えたことがなかった。 父がいない間俺は祖父母に面倒を見てもらってたから一人きりではなかった。 まぁ、あんまりいい思い出はないが…… ここに来るのは寂しいからなんて自覚してしまったから家に帰ることが出来ない。 だってあの家には俺一人しかいないから。 だったら友達と遊べばいいなんて思うけどどうも疲れてしまう。 友達といるには周りに合わせなければいけない。 でないとお前はつまらないなんて言われそうだから…… 一人にはなりたくないから周りに合わせる。 けれど紅蓮では気を使う事はない。 周りは皆年上ばかりだから合わせる必要もないし周りが自分に会わせようとしてくれる。 皆弟のように可愛がってくれるから離れられない。 「莉羽まだいたのか。」 「昴。」 「まだ帰らないのか? 店長に見つかったら叱られるぞ?」 「…………」 分かってる。 でも静かな所で一人で居たくない。 ここなら人の気配もあるし声も聴こえるしこうやって皆構ってくれる。 「なら暫く待ってろ。 もうすぐ終わるから。」 「……分かった。」 それから一時間くらい経った頃、昴が莉羽の元にやって来た。 「昴!!」 「莉羽……悪い待たせた。」 そして昴はこっち、と莉羽の手を引いてあの物置部屋に再び連れてきた。 「昴?」 「今度はキスだけじゃ終わらないから。」 そう言って莉羽を押し倒してきた。

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