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第22話

仕事が一段落した店長の五十鈴皇一(いすずこういち)は休憩室へ入った。 するとそこにはソファに横になっている莉羽に膝枕をしている昴がいた。 「店長。」 「昴……って莉羽まだいたのか?」 驚いた。 いつもならこの時間とっくに莉羽は家に帰っている筈なのに今日は深夜になってもここにいたのだ。 「全く何やってんだこいつは!!」 「店長、あんまりこいつを責めないであげてください。 俺が悪いんです。 俺が話がしたいと引き留めたから……… すみません、今日はもう終わりなので俺送ります。」 「ああ……悪いな迷惑かけて。」 「いいえ、弟のようで可愛いですよ。」 「そうか? なら頼む。」 「はい。」 昴は疲れて眠ってしまった莉羽を抱え皇一に一礼してからこの部屋から出た。 全く……莉羽の奴どうしたものか…… 親の言うことは全然聞かないしこの年頃は難しい…… 「皇さん?どうかしたんですか?」 「一真(かずま)。」 二人を見送った所でここのホスト、一真が声をかけてきた。 彼は皇一の2つ下の30歳だが昴、優里に負けず劣らず人気はまだまだ高い。 「いや、莉羽がまだここにいたんだが昴に家まで連れていってもらった所だ。」 「そうですか…… なら、少しだけいいですよね?」 「かず…ん……」 皇一が一真の名を最後まで呼ぶ前に彼にキスされ口を塞がれた。 「ん………かず…ま……」 「好きです皇さん……」 彼は以前から皇一に好意を抱いており皇一も一真の事は嫌いじゃない。 寧ろ真面目でいつも一生懸命で好印象なのだが 生憎もう恋愛は懲り懲りで中々付き合うまでにはいかない。 それに今は莉羽がいる。 思春期に父親が男と付き合ってたら嫌だろう。 全く………どうしたものか………

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