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第33話
「何してんの?」
「「莉羽(君)」」
そこにいるのは紛れもない莉羽だ。
なんでこんなところにいるんだ?
それよりマズい……
一真とのキスを見られてしまいどう言い訳するのかと焦る。
「り、莉羽……その……これはだな……」
「悪い、邪魔した。」
「えっ?」
莉羽は見てはいけないものを見たという顔でこの場から立ち去ろうとする。
「ちょ、待て莉羽!!」
小走りでここから逃げる莉羽を皇一は追いかけ莉羽を引き留める。
「莉羽、あのな…あれは。」
「別に大丈夫だから。」
「いや、大丈夫って何が?」
「別にあんなところで父親が盛ってたなんて誰にも言わないから。」
「…………」
「父さんが後輩誑かしてたなんてとても言えないから大丈夫!!」
いや、そう言う意味の大丈夫なのか?
その前に盛るとか誑かすとかガキがなんて言葉を使うんだと親としてショックを受けるが、そうではないと話を戻す。
「あの……男同士とかそこは突っ込まないのか?」
「………え?いいんじゃね?
てかなんだ合意なのか………
てっきり父さんが無理矢理襲ってたのかと思った。」
「…………お前な。」
無理矢理襲ってたと言う勘違いは置いといて意外なことに男同士と言うのは構わないらしい。
まぁ莉羽自身、ここの看板の男と関係を持っているのだから気にはしない。
ただ父親である皇一に大事な一人息子が後輩とそう言う関係なのがバレてしまえばどうなるかは分からない。
「じゃあ俺が一真と付き合っても嫌じゃ無いのか?」
「別に、父さんが誰と付き合おうが父さんの勝手だし。
一真さんはいい人だし……」
「そ……うか……」
莉羽にそう言われ皇一はなんだかスッと体が軽くなるような感じがした。
莉羽がいいと言うのなら恋人にならない理由はない。
今度は一真に皇一から告白し正式に恋人となった。
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