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第95話 終わり方なんて知らない。

ぴたりと足が止まった。今、なんて言ったの? どうして今になって言うの? 今更そんなことを言うなら、僕の手を握り返してくれなければ良かった。あの時、僕たちが始まったとばかり思っていたけど、それは違っていたんだね。君はただ敷かれたレールから外れてみたかっただけ。そこにたまたま僕がいただけ。でも、君一人を責めるつもりもないよ。だって僕も同じ。僕もただ、誰かを愛してみたかっただけ。そこにたまたま君がいただけ。強がりなんかじゃないよ。戻るべき道が見えたなら行けばいい。僕も元通り。そう、僕たちの間には何もなかった。始まり方を知らなかった僕も君も終わり方を知らない。 --------------- 診断メーカー「あなたに書いて欲しい物語」のお題にて作成しました。 https://shindanmaker.com/801664 古池十和さんには「ぴたりと足が止まった」で始まり、「僕も君も終わり方を知らない」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば2ツイート(280字)以内でお願いします。

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