111 / 155

第111話 爪・死・僕

ーー殺してやる。殺してやる。 嫉妬の業火は提婆達多を燃やした。 ーー仏陀さえいなければ。 怨嗟の念が目を曇らせ、提婆達多は足元の小石に躓いた。仏陀を殺めんと毒を塗った十の爪が剥がれ、自らに刺さった。仏の弟子は死の下僕と成り果てたのであった。 -------------------------- Twitterお題  #爪・死・僕で文を作ると性癖がバレる

ともだちにシェアしよう!