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第17話

 政宗先輩達が帰って残された俺は、三人の波留の兄さん達と向かい合って座る形になった。  「俺はさ、美咲ちゃんが波留の彼女になってくれればと、ずっと思ってるんだけれど」  ああ、風由さん、なぜ今それを俺に言うのですか。  「それだよなあ、俺も同じことを最近考えてた」  那津さんまでだ、ここには俺の味方は当然ながらいない。  「俺は……波留の選んだ人なら誰でも良いと思うんだ」  明希さん、貴方は天使ですか。  「あのさ僕は、美咲は怖いから嫌だな」  波留、違う。その話は関係ない、今は俺たちの事を話さなきゃいけないんだ。  「ところで?お前は誰なの?」  「ザッカリー・ヘイワード、ザックと言います。サンフランシスコの北東にある街から来ました」  「へえ、で?波留とはどういう関係?」  「どういうって……俺は波留のことが好きです、とても大切に思っています」  波留とどういう関係というより俺自身が波留がどれだけ大切なのか解ってもらわなければ、意味がないのだ。  「で、波留はどうなの?」  明希さんはあくまで波留の気持ちを一番優先したいらしい。という事は、この中で唯一の味方ってところかな。  「特別な気持ちの枠の中にいる、ザックって。兄さん達とも、政宗とも違う枠の中。一緒にいて心地良いし、ほっとするし、ドキドキもする」  普段言葉の足りない波留がここまで言うなんて、嬉しくて抱きしめてしまいそうだ。  明希さんが口を開いた。  「俺らみたいに波留を守れるやつだったら、俺は任せても良いよ」  そうか、波留を守れる人が第一条件なんだな。だから男ってとこは不問なんだと変に感心した。  「俺は誰でもヤダ」  「風由!お前、このままじゃ波留も可哀想だろう」  那津さんが援護してくれた。これって認めてくれた?  「ザック君、波留が一緒に行きたいって自分で言ったら今日は二人を解放してあげる。でも、最終的に認めるにはもう少し時間かかるよ。何しろ俺たちの波留だからね」

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