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第20話

 波留は自分の頭を俺の肩に預けて、口を右手で押さえ声を出さないようにしている。  「んっ」とくぐもった声がして、却ってぞくぞくとする。  「ザック……もう……」  波留の息が上がってきた。こうやって人に触らせるのも初めての事だろう。優しくしてやりたいのに、自分の気持ちの暴走が止められない。波留の全てが俺のものだと思いたくて、気が急く。誰にも触らせたことのないはずの場所を丁寧にたどる、奥にぐいと押してやると、初めての刺激に「あっ」と、驚いたような声が出た。  「身体を預けてていいよ」  左手で抱え込むようにして、そのまま追い上げてやると少し涙目になる。  「大丈夫だから」  そう伝えると、ぶるりと波留の身体が震えた。  「はなし……て、……ザック、て……離し……」  「俺の手の中でイって、ね?お願いだから」  耳の縁取るように舐めとる。波留の身体が強張るのがわかる。鼓動と息が速くなる。俺の肩を掴む手にぐっと力が入ると「はあっ」というため息の様な声とともに波留が果てた。  軽く肩で息をする波留の顎を持ち上げてキスをする。シャワーで身体を流してやると波留が困ったような顔をした。意を決した様に俺の身体の中心に手を伸びてきた波留の手を制止する。  「ザック……?」  三つ歳上の子供の様な波留を見ていると、支配欲が湧いてくる。  「俺は波留の中でイきたい、だめ?」  波留何も答えない、けれど反論もしてこない。正面から抱きしめ直してボディソープを手に取ると後ろへと手を進める。    俺の首に縋り付く様な格好のまま波留はゆっくりと息を吐いた。

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