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第130話
赤い顔をした横溝先輩は、何となく落ち着かなくで居心地が悪いようにそわそわしていた。
…
「あーっと…大丈夫ですよ。先輩…」
「…」
「俺、明日は自分の部屋戻るんで…あ、もしあれならもう戻った方がいいですかね?」
「え?」
「先輩たちのご厚意に甘えて横溝先輩の部屋にお世話になる事になりましたけど、やっぱ俺がいると落ち着かないし邪魔ですよねー。あ、大丈夫!それくらいでめげるような俺じゃないんで!先輩とこんなに一緒にいれるだけで贅沢なんですよね。ってほとんど俺寝てたんですけどっ!」
「え、あ、いや…!そんなこと…そんなことはないから!」
「でも先輩無理してます」
「む、無理!?してない!いいからとりあえず部屋は危険だからここに居ろ!」
「えー」
「先輩命令だっ!」
慌てて引き留める横溝先輩の姿が必死だったから、今夜はここに泊まることにしたけれど、そうだよなぁ。
俺が部屋に帰りましたってなったら、野宮先輩や他の先輩たちになんて言われるか…横溝先輩の責任が問われることになりそうだ。
「…じゃぁ…今夜はここにお世話になります。本当先輩の邪魔しないんで…お傍に置いてください」
「…なんだよその言い方…本当…気にしなくていいから…」
「はーい。ねぇ先輩…このラインまだ越えちゃ駄目なんですかー?そっち行きたいなーーーー!」
「だ!だだだ駄目だ!俺も風呂入るから…大人しくしてろよ」
「大丈夫でーす!近づけない分妄想するんで」
「」
微妙な顔をする横溝先輩の顔は、やっぱりちょっと赤くてあまり目を合わせてくれなかった。
部屋の明かりが落とされて各自の机のライトだけが仄かに灯り、先輩の風呂に入っているシャワーの音が聞こえてくる。あー先輩の入浴シーンさぞや色っぽいんだろうなぁ…
俺はもうやることがないので、歯を磨いた後は机のライトを消してベッドに潜った。
昼間あんなに寝れたから多分寝れないんだろうなぁ…そう思いながら横になったんだけど…
スマホを少し弄って速攻、成長中の俺はあっという間に睡魔に襲われて再び眠りに落ちてしまったのだ。
さすが寝る子は育つっていうよねー。
俺絶賛成長中!!
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