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第134話

横溝 … あまりにもこいつが爆睡しているから… 夕刻… まじまじと佳川の寝顔を、ベッド脇に座り暫く眺めていた。 寝息は静かで、ちゃんと呼吸しているか心配になるくらいだ。 確認するのに鼻の近くに指先を持っていく… ふわりと温かい息がかかるのにホッとすると指先が佳川の唇に触れてしまい、慌ててその手を引っ込める。 その勢いで体勢を崩し床に尻餅をついてしまった。 …… な、 何で…… 何で動揺してんだよ! ドキドキする自分の心臓の鼓動の大きさに驚き一人焦る。 や、ヤバい…… 起きるかも!? 座ったまま自分の机まで後退りし、佳川が起きないだろうかと確認する。 特にその様子もないので、恐る恐る再び近いた。 な、何…やってんだよ俺… ……こ、 これじゃまるで、 佳川に恋してるみたいじゃないか… … そう思いながらじっいっと見てしまう佳川の寝顔…… 閉じられた瞳に以外に長い睫毛、少し小さめな鼻や口、もちもちしてそうな頬を眺める。 可愛い…… その寝顔をもっと見たくて、ベッドの脇に顔を近づけて至近距離で見つめてしまう自分がいた。 今起きたらゆるさん。 そんなことを心の中で呟きながら、少しの時間その寝顔を堪能した。 …… …… す、 少しの時間じゃ…なかったーーーーーー! ハッと気がついたら部屋の中は薄暗くなっていて、小一時間経っていることに我にかえる。 … … 俺…何やってんだぁ…… 気を取り直し、夕飯の時間だからと佳川を起こすけれど、まともに顔が見れなかった。 夕飯を済ませた後も気まずくてそっけない態度を佳川にとってしまう。 駄目だ意識し過ぎだって……あんなに見なきゃよかった…と後悔… 「せんぱーい、お風呂出ましたー!すみません…ちょっと傷口見てもらってもいいですか?ふやけたかもー」 ! そうだ、佳川怪我してるのに俺っ!自分のことで一杯一杯になって、佳川の面倒を全然見てないじゃないか! 慌てて佳川に駆け寄り頭部の傷を確認する…しかしふわりと佳川から匂う風呂上がりのよい香りが鼻孔をかすめてドキドキしていまう。 熱っぽい自分を心配してくれる佳川の手を跳ね除け、自分らしくない態度… そんな俺の事を心配した佳川は、自分の部屋に戻るとか言い出してくる始末。 そんなんじゃない! 違う意味で落ち着かないけど、邪魔だとか思わない! … ここに… ここに居て欲しい… 直接言えないけど、心の中でそう呟いた。

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