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第8話
次の日に先生に聞いてみてもそんな拾得物はなかったみたいでがっかりした。
その後こっそり応接室に行ってみたけれど眼鏡は落ちていなかったし…
…どこに行った…僕の眼鏡…歩いてどこか行ったのだろうか。それならそれでいい…あいつに拾われていなければ。
あの件から何となく授業をサボるのが怖くて真面目に授業を受ける日々を過ごしていた。
屋上も…トラウマだ…
クラスメイトとはたまに話すくらいで輪を乱すこともしないし踏み込むこともしない。基本一人が落ち着くし。皆どことなく僕に対して遠慮している気がする。
「三階ってさ結構視力悪いの?」
「…うん、裸眼だと黒板見えない」
「その眼鏡重そう。コンタクト使わないのか?」
「…コンタクトは目に合わないって言われたから。これ見た目ほど重くないんだ」
「ふうん、そう」
眼鏡の話はしたくない…。そう思いつつ当たり障りのない会話をする。
「うわ、細田また横溝にちょっかいだしてる」
「…」
視線を向けると一人の生徒の髪を掴んで嫌がらせをしている生徒がいた。そいつが細田ってやつか?
「あいつ横溝にちょっかい出してるけど、フラれた腹いせにやってるらしいぜ。横溝もいい迷惑だよな。でも相手が悪いか…細田ってちょっとヤバいって聞くから近づかない方がいい」
…
「……は?フラれた…?」
「は?って…あー男子校そういうの多いから気を付けな」
「…マジ」
そ、そういうもんなのか…高校生男子って…そうなの?
男同士の恋愛ってやつ?
……
「あぁ!!!!」
「えっ!!?どうした三階?」
「あ、なななんでもないっ!」
そうだった。ここ男子校じゃん…
応接室でのことを思い出した。
ってことは僕、女じゃなく男に間違われたのかーーー!!
いや、えーと僕も男なんだけどさっ!あっちもこっちもホモばかり…!!
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