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第9話

「三階は眼鏡のお陰で地味に見えるけど、可愛い顔してるし背が低いから気をつけて。って君に手を出す奴滅多にいないと思うけど」 「…た、確かに背は高くないかな」 自慢じゃないけど身長は164㎝だ。 兄さんが178㎝って言ってたからまだ可能性はある、うんある! ま、僕に手を出すなんて奴はそうそういないだろうな。いたらよっぽどの物好きだと思う…色んな意味で… はぁ…でも暇だなぁ…授業も退屈だし昼寝したい。 ランチはいつも一人でとる。 広い学食には色々なメニューが揃っていて、いつでも温かい食事ができるようになっていた。 クラスメイトはすでに食べるグループが出来ているようだったし、何度か誘われたけど当たり障りのない理由で断っていたら声をかけられなくなった。 …はぁ… パンとコーンクリームスープを食べながらぼーっと窓の外を眺める。 食べ終えたら中庭に行こう。中庭に行った後は適当に見つからないようにその辺で昼寝をしたい。ゴロゴロしてゴロゴロするのだ… 食後のゴロゴロタイムは最高だ… そんなことを考えていたら… …カチャリ… … 「これ…」 … 「これ君の…かな?」 「…」 目の前に落としたはずの眼鏡が置かれた。 !!! 「これっ…ど、どこ…に…」 「4階の応接室に落ちてたよ」 「…」 …ま、まじで…やっぱり拾われていた… 「眼鏡くんのであってるかな?」 「は、はい…そうです。確かに僕の…です。あ、有り難うございます」 目の前の傷ついた自分の眼鏡を見つめながらそう答えた。

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