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第10話

… 顔が見れない。 …もしかしたらこの人があの時僕にキスをした奴かもしれない。 でも違う人が拾った可能性もあるし…色々考えて急に緊張してきてしまい顔をまともに見ることができなかった。 緊張と言うかイライラと言うか… すると目の前に手のひらが見えた…と思ったら顎を掴まれ強引に顔を上にあげられた。 ! 「うわ、それいつの時代の眼鏡…」 …さらさらの黒髪が印象的な生徒が僕を見て笑っていた。それとともに周囲から聞こえる謎のどよめき。 「君、顔小さいな」 「…あの…やめてくれませんか…」 「ああゴメン」 顎を固定していた手が離れてほっとする。 …何なんだこいつは。 「君はさ、眼鏡しない方が良いと思うけど」 …は? 「…あの、わざわざ届けて下さって有り難うございました」 「いいえ。どう致しまして」 「…失礼します」 頭を下げてその場から立ち去った。何故か周囲から物凄い視線を浴びていたような気がする。 目が悪いから眼鏡かけてんだよー! バーカ! 心の中でそう叫んでいた。

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