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第13話

横溝(よこみぞ)でいいんだよな? さっき細田って奴にちょっかい出されていた奴が目の前に立っている。 黒髪がサラサラしていて綺麗だ…こんな黒髪昼にも見た気がする…そう思った。でも印象が全く違う…漆黒の闇っていうのか…どこか儚そうで線が細い…美人な顔立ちをしていた。 こ、怖そう…不機嫌なのかな? 「…これから委員会だけど…三階初めてだよね」 「う、うん、ごめん。委員の仕事今まで一人でさせて…」 「別に…大したことないから。じゃ荷物持って…行くよ」 「うん」 すたすた歩く横溝に結局くっついて行く事になってしまった。切り出すタイミングを逃してしまった。 第2多目的室に行き横溝が座る隣に僕も腰掛ける。 他のクラスの生徒の視線が新顔の僕に集まるのを感じた。 …… 思っていたほど忙しい仕事は見当たらないのが幸いだけど、朝の挨拶運動だけは勘弁して欲しい… 「…無理…起きれない」 「…何、三階早起き苦手?」 「あ、んーまぁ…」 「…挨拶運動そんなに多くないし、大丈夫だって」 「…う、うん」 横溝ってほとんど話したことないなぁ。そう思いながらチラリと隣の横溝を盗み見た。 眉間にシワが寄っていて不機嫌そうにしているけど話し方から僕のことが嫌な訳ではないらしい… 「それか、嫌なら俺一人でやるから……」 … え、ありがとう!!! って言いたい心境だったけど…その言い方に違和感を感じてしまい返事するのを戸惑ってしまう。 ? 何だろう…突き放すようなその言い方…横溝は前を見たまま目を合わせてはくれなかった。

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