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第14話

そして気になるのがひとつ。 それは周囲からの視線だ。 新顔の僕に向けられているのもあるけれど、どうやら横溝も含まれているらしい。 何でだろう… 気付かれない程度にチラチラと見られている。見られるのは慣れているけど、気持ちの良いものではない… つか帰りたい… つまらない委員会の時間が終わり、生徒達がぱらぱらと解散し多目的室から出て行く。 やっと解放された…頑張ったな僕。 帰ったら頑張った自分に何かご褒美をあげよう。 何がいいだろうか… フラフラと横溝と一緒に帰ろうとすると、 「…三階、じゃあまた明日な」 「あれ、横溝は寮に戻らないの?」 「……ん、ちょっと…あれだからさ」 ? 困った顔をされてしまった。 「俺といるとあんまり良くないから…」 「…なんで?」 「…」 返答に困っているらしい横溝は顔をしかめたままチラリと僕の後ろに視線を流した。その視線の先を振り返り見てみると細田の姿があった。それと後二人はお仲間?細田って…あまり良い印象がない… 「あいつって横溝がフったんじゃないの?」 「え」 「あ、ごめん。ちょっと他から聞いたんだ」 「はは…皆知ってるからいいよ。あいつしつこくてさ…俺のどこが良いんだか。ストーカーだよな…だからあんまり俺といると三階も巻き込まれるかもしれないから一緒に帰らない方がいいよ。って三階くんにはそもそも関係ないかな」 じゃあねと手を上げて素っ気なく一人立ち去ろうとする横溝は微笑んでいたけれど…何だよ震えてるじゃん。かなり無理しているのがよく分かった。 … 言ってる意味が分かるようで分からない。何?僕に気を使ってあいつらにも気を使ってるわけ? …振り向かない横溝の背中は孤独で苦しそうに見えた。 …… 僕は手に持っていた自分のペンケースを開け、委員会のプリントを握りしめタタタと走る。 そのまま横溝を追い抜いてやり、横溝の前で派手に転んでやった。 うあっと結構痛い! ペンケースの中身が散らばりプリントが辺りに散乱する。目の前で起きたクラスメイトの惨事に横溝が驚き僕に駆け寄って心配そうに起こしてくれた。 周囲にいた生徒も細田もびっくりしたことだろう。 「み、三階!大丈夫か!?」 「痛い…」 「何で何にも無いところで転ぶんだよ!」 「スゲー自分の脚が絡まった…」 「はぁ?」 横溝が僕が転んでぶちまけたシャーペンや消しゴムを集めペンケースにしまってくれる。 膝が痛くてその場にしゃがみ込んでいたら、ふわりと誰かに後ろから身体を抱きかかえられストンと状態を起こし立たされる。 ? 「今のコケ方…すっげーわざとらしい」 背後から耳元でそう囁かれた。誰だと思い振り向く。 わ、誰!? 花咲く笑顔というのかそんな甘い笑顔の生徒がくすくす笑っていた。 僕より身長は高くスラリとしていて…顔が小さい。 モデル体型なそいつは長めのふわんとした髪を揺らして僕を上から見下ろしていた。  

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