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第15話

「これも眼鏡くんのかな?」 もう一方から声がかかりそちらを見ると、昼に眼鏡を渡してくれた黒髪の生徒がボールペンを手にして立っていた。 うわ!要注意人物!!超気まずいっ!! 何この二人王子か?ってくらいキラキラな存在感を醸している。 「あ!!!…はい。すみません…」 「気を付けてね。眼鏡くん」 黒髪の奴に頭をくしゃりと撫でられてしまった。 … 何故撫でる… 「三階…膝痛いんじゃない?」 「あ、大丈夫。…でも横溝ちょっと肩かして?これで一緒に帰る理由できたよな?」 「え」 「よし、帰ろうぜ」 通りすがりの王子二人の脇をすり抜け、横溝の肩に軽く掴まりながらその場を後にする。 もう細田の姿は見当たらなかった。 学生寮まで続く校内の遊歩道を横溝と二人で歩く。 「すげー…緊張したー。三階ってやっぱり知り合いなんだな」 「知り合い?だれと?」 「誰ってさっきの二人だけど…って…知らないのか?」 「知らない。あのキラキラした王子っぽい二人のことだろ?誰?」 「…本当に知らないのな。ペンを拾ってくれたのが2年の香乃一智(こうの いち)。で、三階を起き上がらせてくれたのが同じく2年の成谷太我(なりや たいが)だよ。香乃先輩は名門音楽一家だし成谷先輩はあの成谷物産だ。二人とも生粋のお坊ちゃま。あんなペン拾ってくれるとか…抱き起こしてくれるとかありえないから、てっきり知り合いか友達なのかと思った」 「へー…コウノ…ナリヤ…名字は知ってる。けど…友達とか知り合いとか全然。今日初めて遭遇した」 「そ…遭遇って三階くんって…想像してたのと少し違うな」 「…そう?」 「だって、三階ってあの三階だろ?三階グループの…あの…」 「うん、そうだよ。あ、僕の事…もし迷惑だったならゴメン。もう声かけないから」 「あ!いや!違う!そういう意味じゃないって!迷惑とかじゃなくてもっとこうお高くとまってるイメージだったからさ。まさかこんな俺と一緒に帰ってくれるなんて思ってもなかったから意外で。本当…有難う」 「…別に帰る方向一緒なのに別々に帰るの可笑しいなって思っただけだよ」 「はは、そうだな。…でも細田の件は本当放っておいてくれよな?…俺の問題だから。三階が万が一巻き込まれたらマジ…ヤバいから」 「…あんな奴放っておけよ?」 「…うん。あ、ちょっ…!」 急に横溝に口を塞がれ茂みに引っ張られた!まさかの横溝に押し倒される状態だ。 って膝!膝痛い! 「しぃーー、やっば…声がする」 「え」 僕たちが歩いていた歩道の先の茂みの方から声が…声と言うか喘ぎ声が聞こえてくるのだ。 …ま、マジかっ! 「いや、もう駄目」 「ああぁん…」 「もっと…あ、そこぉ」 この声…や、やってるーーーーーー!!! こっそりしてるんだろうけど全然こっそりじゃねー!! 野太い喘ぎ声がどうにもこうにも耳障りでっ! 「気持ち悪…」 「…ぷ」 隣の横溝の一言に思わず笑ってしまいそれにつられて横溝もくすりと笑う。 笑った横溝は意外と可愛い表情をするなぁ… 「な、ちなみに三階って…そっちのけあるの?」 「…え。そっち?」 「男同士の恋愛」 「!!…あるわけないだろ!」 「…そっか。でも気をつけろよ?三階ヤバそうだから」 「…?」 「モテそうだって言ってんの。あんま効果ないと思うけど、その眼鏡外さない方がいいぞ。ないよりはまじだ」 「う、うん」

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