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第18話 庭

次の日、僕は体調不良で学校をさぼった。 … いや休んだ。 … …まぁいいや。 仮病を使い一日寮の自室にこもり過ごす。 お気に入りのベッドで一日ゴロゴロして過ごすのもいいんだけど… … ざ、 ざ、 僕は今スコップ片手に庭の土を掘り起こしていた。 ミニバラを植えるのに腐葉土などを混ぜて土壌を整えている。ここに植えたらきっと綺麗だ。庭は何もしなくていいと管理人には伝えたけど、やっぱりそれなりに植木などは整えられていて雑草も取り除かれて綺麗になっていた。 自然に伸び放題の植物の情景を楽しみたかったんだけど、さすがにそれは理解してもらえないか…でも実際手入れしておいてもらって良かったかも。 一人だと手入れが結構大変だ。 でもこれはこれで楽しい。 小さい頃から植物が好きで、自宅の広い庭が大好きだった。 庭の芝生に寝転がると服を汚すので怒られたけれど懲りずに寝たし庭探検もしていた。 その結果、毛虫だらけで帰り家政婦を絶叫させたこともある。 兄さんがいた分、僕は少し自由だった気がする。 勿論色々な習い事や勉強はしたけれど、植物が大好きで身近に自然がないと息苦しさを覚えるくらいだ。 それくらい俺にとって植物はなくてはならないものだった。 庭師に弟子入りするって言ったら怒られた… 花屋もだ… 農家にもなりたいって思ったけど、反応が予想できたから言わなかった。 最上階なんて住めるわけない。偶然この庭付きの部屋をみつけることができて本当良かったと思ってる。 土の匂いが好きなんだ…やっぱ農家かな…? 「ふぅ…」 額から汗がにじみ出てくる。 「はー!疲れた…」 小さなベランダに腰を下ろして大きく伸びをした。足を投げ出すと昨日転んだ時にできた痛々しい打撲の痕が膝に見える。あんまり痛くないけれど紫色をしていて目立つ。水でも飲もうかと立ち上がったとき、庭に人の気配がした。 …… 「ここさ…お前の部屋なの?」 声の先…庭の木々の間から見たことのある人物が現れた。 あ、 昨日転んだ僕の事を起こしてくれた奴だ。 … 「…そうだけど…何か用?」 「…何か…」 ゆっくりした足取りでベランダまで歩いてくる。 柔らかい雰囲気をまとっており長めの髪が風に靡いて綺麗だった。日差しを浴びているせいか彼からは光とか風とかそういうイメージを連想させた。 …って言うか何でこの人この時間にここにいるのかな? そんな事を思っていると気がつけばそいつはベランダに上がり僕のすぐ目の前まで来ていた。 「…」 「…あ、あの何か用?」 「…」 「えーと…あの???」 「…あのさ」 「はい…」 「ここ物凄い物騒じゃない?」 「へ」

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