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第25話

「それで、こんな事件は今までにあったのか横溝?」 「…いえ、今回が初めて…です…」 野宮先輩の質問に肩を小さくさせて横溝が話す。 「…話しにくいことで申し訳ないんだけど、その貼られていた写真に写っていたのはお前なのか?」 「…は、はい…俺です…」 「…相手は細田で間違いない?」 顔が蒼白で震えながら頷く横溝が今にも消えてしまいそうで見てるこっちが切なくなってきてしまう。 横溝の手首には拘束された時についたのだろう痛々しい痣が残されていた。 …あの野郎…本当クソだ。話を聞くとその他に協力者が2名ほどいて乱暴されたのは今回が初めてではないらしい。 告白を断ってもしつこく言い寄ってこられ無理やりされたと横溝が泣きながら話してくれた。 そういえばさっき細田は横溝のこと恋人だと言っていたな…断ってるのに恋人っておかしいだろ。 …はぁ…頭にくる… … …頭にくるんだけど… その前に気になることがまた… 「…あの…」 「どうした」 「…近く…ないですか?僕たち…」 「…何?」 目の前には整った顔がドアップで僕の顔を覗き込まれた。 近い!無駄に近い!! 「そう!!!!そこそこ!近い!離れろっ!!太我!!」 部屋には2年の野宮、香乃、成谷の先輩3名。 それと1年の僕と横溝の2名の合計5名。 大き目のソファに横溝と俺が座り成谷先輩が僕の隣に…テーブル挟んで香乃先輩が座り。 一人掛けのソファに野宮先輩がそれぞれ座っていた。 部屋に入ってきた成谷先輩が僕の隣に座るのは別にいいんだけど、肩が触れ合うくらい…というか肩に腕が回るくらい近くてずっと乾いた僕の髪の毛をほわほわ弄っていた。 何で皆僕に触るんだ… …この人たちはスキンシップが多い気がする… 「あの…僕もう着替えたいんですけど…これ動きにくいから」 そう僕はまだバスローブ姿ではっきり言ってずっとそわそわしっぱなしだった。 でもって成谷先輩の手が頭から今は腰に回ってバスローブ越しに触られていて本当落ち着かない! なのに隣から伝わってくる体温が無駄に心地良いのに戸惑う。 「あーそうだね。もう乾燥機もとまってたから下着も渇いてるだろうし。着替えておいで」 「よかった。横溝、ちょっと待っててな」 「三階、着替えるの手伝おうか?」 成谷先輩がさらりとそんなことを言ってくる…いやいやなんで! 「大丈夫です!」 キッパリお断りして着替えを持ちいそいそと脱衣場に移動した。

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