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第28話 妄想

細田 柔らかそうな唇が動くたびに戸惑う。 …俺に話しかけている… その小さな唇…柔らかそうで甘そうだ。 …白くて細いその手首… この細い両手を縛りあげてみたらどんな声で泣くんだろうか… 泣き顔を見てみたい。 見たい…… 全身を見たい。 『あぁ、いやぁ…っ!』 脳内でシャツをひん剝き傷のない柔らかな肌に吸い付き歯を立て噛みつく。 その綺麗な身体を組み敷いて尻の穴に突っ込んだらたまらないだろう… ああ…… 中に出して…ぐちゃぐちゃにしてやりたい。 『あぁあ…駄目ぇ…許してぇ…いやぁあん…あん…っ!』 ああ……三階はどういう声で喘ぐのだろうか…きっと綺麗な陰茎だろう。 べろべろ舐めたらどんな淫らな姿を見せるのか… そんな如何わしい妄想が脳内を駆け巡る。 あぁ…でもヤバい…こいつは手を出したら駄目な奴だ。 警告されたばかりで、下手に手出しはできない… そもそもこのお坊ちゃまは駄目だ。 … 「細田…横溝が可哀想だと思わない?」 「え、あぁ可哀想だな…」 「…なぁんてね…それってさ、嘘なんだろ?」 「あ?」 「僕、横溝から聞いたんだよ?…本当のこと…」 「……」 「相手は君だって言ってたよ。乱暴されたって…」 「……」 「少しでも可哀想だと思うなら、もう許してあげなよ。それでさ、横溝のこと撮ったあのデータあるんだろ?あれも…渡して欲しいんだ。ちゃんとしてくれるならやったのお前だってこと…黙っていてやるから」 そう言うと三階は俺のすぐ目の前まで来て、俺の制服のボタンにツンと触れた。ふわりと三階の柔らかそうな髪から香る何ともいえない匂いが鼻腔を刺激した。 …… 「…分かった…本当に黙っていてくれるんだな?」 「勿論。僕は嘘はつかないよ」 にっこりと微笑む顔は無邪気だ… 「そうか…」 なんだそうか… ははは…… そう言うことか… その大きな瞳には俺だけが映ってゆらゆらと潤んでいた… 三階は俺に気がある……

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