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第38話

成谷 おやすみを交わしてからすぐに、すやすやと三階の寝息が聞こえて来た。 …やれやれと思いながらため息を吐く。 ベッドはダブルサイズで大きめ。 そのすみに頭のふわふわした髪の毛が掛け布団から覗いていた。 自分が毎日寝ているベッドに他人が寝ているなんて初めてだ。 しかも風呂にも入ってない男… 制服のままはさすがに嫌だったので着替えさせたけど… 「いいか絶対っ!手を出すなよっ!!!」 「万が一の場合は…分かっているな?」 そう二人に言われた。一智はニヤニヤしていたけど…碧人はマジだ。 「…分かってるよ。信用しろ」 横溝は今日まで自宅なので問題ないのに対して、三階は独りだ。 何かあっても家に連絡はしないようにと前もって言われていたので、倒れた時にどうするか三人で話し合った。 一智が一番うるさかったけど俺が今晩面倒を見ることになった。 … 何だろう…自分が適任だと思わないけど一智にも碧人にも預けたくなかった。 暗闇が支配する部屋に灯る小さな照明の光は癒される。 あいつらと約束したからには取り敢えず手は出さない。 あくまで今夜は保護者だ。 …… 規則正しい寝息を乱さないようそっとベッドの塊に近づく。 ふわりとした猫っ毛を撫で、掛け布団から覗く小さな寝顔を眺めた。 … 正直言って戸惑っている。 どうして連れて帰ったのか…自分でもわからない。 今回の計画に対して一番冷静に動いていたのは三階だった。 ぼーっとしているようで良く人間分析が出来ており相手の心理を読むのが上手い。 生まれ持ったものか育った環境がそうさせたのかわからないが良く人を見ている。 それが常に発揮されているようではないけれど、細田の異質な心理を良くつかんで世間知らずのお坊ちゃまを演じ早期に誘い出せることができた。度胸もある。 気が抜けたらぶっ倒れたけど… 三階家のお坊ちゃまで一見真面目、なのに普通に授業はサボるしワザとコケるし変わった子だと思った。 …… 笑顔のことを指摘された時、自分の縄張を土足で踏み込まれた気がしてイラっとした。 磨きに磨き上げた自慢の笑顔だ。 本当の笑顔でなくても大抵この笑顔で乗り越えられる。 そんなにギコチナイ笑顔だったか? 「面白いな…」 灯りを消してそのまま部屋を出た。 今夜の俺の寝床はソファーだ。 次の日、簡単に朝食を二人分用意する。 キッチンが備えられているので普段から料理はするし料理は嫌いではない。 そのうち三階も起きてくるだろうと紅茶を入れて早めの朝をのんびり過ごしていた。 あいつ熱…下がったのかな。 寝室から動く人の気配がしたので様子を見に扉を開け声をかけた。 「おー起きたか?おは よ   う  」 「 え」 !!! 予想外にそこには全裸で立っている三階の姿があった。 丁度机の上の眼鏡を見つけたのか眼鏡に手を添えて横向きに立っている。 男の身体だけれど細身で色白、丸みを帯びたお尻が可愛らしく当然だけどチンコもついてた。 「わーーーーーーーーーっ!!!!」 一瞬の事なのによく見てんな俺! とか思いつつ不意打ちの出来事と三階の叫び声に驚いてしまい、男同士なのについ赤面してしまった。 何故に全裸だっ!!

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