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第39話
…
…
「本当にさっきはすみませんでした」
「気にするな男同士だし」
…
気にする。
気にする。
うっかりも大概にしろ!って自分に言ってる…さっきから何度もっ!!
ぼーっとし過ぎていつものようにしてしまった。
あぁ……
ここは自分ちじゃない…
はぁ…
「何、普段寝るときは全裸で寝てるの?」
「…は、はい…」
「起きたら何で服着てるんだ気持ち悪いみたいな?」
「そ、そうです…」
さっきの出来事のせいで、目の前で朝食を食べている成谷先輩の顔を見ることができない。
眠気もどこか行ってしまった。
そう…普段寝るときは僕は素っ裸で寝ている。
小さい頃からそうだ。
裸族はやめなさいと兄さんにも一時期言われたけど、寝るときはどうしても衣服を身に着けていると気持ちが悪くて落ち着かない。
昨日は我慢できたのに…寝ぼけてすっかり忘れてしまった。
「はは、思い出したら笑えるな」
「え!思い出さなくていいですっ!!」
「悪い、冗談だよ。ほら、しっかり食べろ」
「…はい」
もそもそとパンを頬張る。
ポテトも食べる。
卵も…まぁ食べる。
…
「ご馳走様でした」
「…おいちょっとまて、野菜残ってるサラダ食え」
「…」
野菜は…
サラダは、僕には見えない。
「見えないわけないだろう!!ちゃんと食え!」
「無理っ!」
「はぁあ!?ガキかお前は!!」
「…ガキですけどっ!」
葉っぱは育てるのは好きだけど、食べるのは大嫌いだ!
これに関しては断固たる決意がある!!
…
のに…
「…むぇ…」
「…飲み込むなちゃんと噛め」
あ、悪魔…の微笑み…そう思いながら口の中の異物をどうしようかと考える。
顎をがっつり掴まれて無理やり食べさせられている。
きゅうりは嫌だ。
…
レタスもだけど…
「…」
不味くて泣けてくる。
「これくらいの量の野菜食えなくてどうすんだ。身体にいいものはきちんと摂れ」
「うぇぇ…」
泣きながらまるで虫になったみたいだと思った。
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