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第41話

それから数日が経ち…僕の周りには粉川の姿がついて回った。 クラスが違うのに休み事にうちのクラスへやって来ては僕から離れない。 … 何で? たわいもない話題をひたすら喋って授業が始まる頃に帰っていく… 僕といて何が楽しいのかさっぱりわからないけれど、休み時間になると現れる。 一緒にいることが増えた横溝の眉間にも皺が寄っていた。 授業をサボるとどういう訳かサボる場所を突き止められてしまい正直…ウザイ。 断ってもウザイと言ってもめげない彼にはある意味関心する…これは彼の才能か? ランチの時も当然ついて来る。 そして当然のように一緒にランチを食べるのだ。 そしてちょいちょい話題に自分の彼氏の話を、瞬き多めの瞳をキラキラさせながら挟んでくる。 彼氏とはどうやら成谷先輩らしい… へぇ…そうなんだ… 「先輩ったらエッチ超上手いんだよぉ。もう離してくれないの」 「…」 「身体の相性がいいのかな?って思うくらい愛されちゃってさ…ふふ」 「…」 目の前でてへっ!ぺろっと可愛く舌を出す粉川が本当に違和感あって不思議でならない。 …大分個性的な子を好きになるんだなぁ成谷先輩は…そう思いながらパンをもそもそと食べる。 … ジワリと心が重い。 ? なんだろう?息苦しい… 「あ、せんぱーい!」 そう粉川が声をかけたのは今話題にしていた人物の成谷先輩だった。 ふわりと微笑む甘い笑顔は相変わらずで優雅にこちらに歩いて来る。 粉川はスッと立ち上がり成谷先輩のもとへ駆け寄った。 喋らなければ美しい美少年な粉川、そしてモデルのような体形で美形な顔立ちの成谷先輩…二人が並ぶととても絵になった。 自然と先輩の腕に絡み身体を密着させる様子は仲の良さを表している。 うん、お似合いだ…男同士だけど! 「もう食べたの?」 「嫌、これからだよ」 「じゃ、一緒に食べようよ…ね?三階くんもいいよね?」 「…僕は結構だよ。もう食べ終わったから良かったらここどうぞ?」 そう言って席を外す、良く分からないけどここには居たくなかった。 外に行って空気を吸いたい。 肺に酸素が足りない気がした。 「おい三階、何食べた?」 「…パンとコーンクリームスープ…」 「…ちゃんとバランス良く食えって」 「…」 成谷先輩の言ってる意味が分かんないから、今のは右から左へ流し無視してその場を立ち去ろうとした。 「じゃぁ、三階!俺と一緒にお茶しようー!」 いきなり現れた香乃先輩に肩を抱かれてしまい身体がビクッとした。 わ、湧いて出たこの人!! 手にしていたトレイを奪われ、肩に回していた香乃先輩の手が僕の腰に回りピッタリと寄り添う形になる。周りにいた生徒たちも驚きどよめく。 「本当に可愛いね…三階くんは…」 そう囁かれチュッとおでこにリップ音…黄色い悲鳴というか歓声が周囲から沸く。 ! … ま、また、この先輩も良く分からない行動をする…なんでだろう… 脳内混乱状態のままルンルンの香乃先輩とランチルームを後にした。 そしてこの時の香乃先輩の軽率な行動が、見ていた生徒から他校の生徒に…あれよあれよという間に独り歩きし、知られちゃいけない恋人の耳に入り…『浮気』という誤解を生むことになるとは…それは後にわかること。

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