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第47話
「そう…明後日の式典のことで管弦楽部の顧問に確認したいことがあって。三階は新入生代表なんだよな?よろしく頼んだぞ…期待してるから」
「はい…あんまり期待しないで下さい」
「悪いな。こういう行事に引っ張り出したい大人がいるから面倒だよな…我慢してくれ…」
「大丈夫です。ちゃんとやるんで」
どうせ学園側は「三階」の名前を来賓に自慢し式典に華を添えたいだけなんだろう…入学式にそれを潰してしまったからその責任はとらないといけない。
……大人ってだから嫌いなんだよ…
あーそういうの本当面倒。
「そんな顔するな。俺の親父に文句言ってくれていいからな」
そう言われ野宮先輩に頭をくしゃくしゃ撫でられた。野宮先輩の父親ということは野宮理事長のことだ…
「だだ…大丈夫です…慣れてるんで」
「はは、そうか…じゃあな」
そう言って野宮先輩と廣瀬先輩は体育館の中に消えて行った。
廣瀬先輩は細田の事件の時にお世話になったけどまだ会話を交わしたことはない。
「はー野宮先輩ってなんか緊張するなぁ…」
「そうだね。普通の二年生じゃないよね。廣瀬先輩もだけど生徒会って独特の緊張感があるよ」
そんな事を横溝と話ながら寮に向かう。
ここ生徒会の存在感は確かに他の学校の生徒会とは違う気がする。会長の力が絶対でそれに従う他の役員の存在が薄い。
裏で色々動いてくれて、僕が襲われたときは細田をあっという間に締め上げていたし、第一印象は隠密とか忍者みたいって思った。廣瀬先輩もかなり控え目だし…声を聞いたこともない。
…
それだけ纏めている野宮会長が凄いのだろう……
…そんな人に髪を乾かしてもらったのか僕は…
そう思ったら身体かぶるりと震えた。
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