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第50話

成谷 今日の式典で三階が式辞を読むと野宮が言っていたので、100%サボろうと思っていた予定を変更して体育館に向かっていた。 あのお坊っちゃまがちゃんと人前で読み上げることが出来るのかっていうただの好奇心だ。 …その途中で三階が粉川に抱きつかれて固まっている場面に遭遇した。思い切り抱きついてきゃっきゃとテンションが高い。 …やれやれ… はしゃぐ粉川に引きぎみの三階は横溝に連れられヨロヨロ体育館へと消えて行った。 それに続いて中へ向かう粉川…は体育館へは向かわずに校舎脇へフラりと一人消えて行く。 ? どこに行くんだ? 気になって密かに後を追った。 粉川は自動販売機が設置してある場所で立ち止まり何かをしていた。 そして販売機の横にあるゴミ箱に何かを捨てスキップをしながら立ち去り体育館へ消える。 やけにルンルンだ。 …… 人気のなくなった校舎は静まり、体育館からは式典が始まる音楽が流れてくる。 … …ゴミ箱の中には…無残に破かれた紙切れが散乱していた…… 恐らく式辞の原稿だろう。 …これは、 三階がこれから読み上げる予定のものに間違いはない。抱きついた時に三階から抜き取ったか… …式典はすで始まり原稿はこの有り様でどうすることもできない。 粉川の馬鹿……良く考えもしないでこんなことしやがって… さて、 あいつはどうするのか…… 三階…

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