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第57話

… あんなキス? ……あんな… キ…ス…… 気持ち…よさそうに……って… … … うわ…うわぁ… ドドドドドキドキドキドキドキドキ 「……」 「…あぁ…さっきの…成谷先輩とのキス思いだしちゃった?…顔赤いよ」 !! 「え…」 「…」 「うそ」 「……ひょっとして…さ。マジで自覚なし?」 ええええええええ!!!!!! 「ぼ、僕…成谷先輩のこと……好きなの?」 「そんな顔して違うっていうのかよ?はぁぁ…信じられない。眼鏡…曇ってるよ…」 「…」 か、顔が熱があるんじゃないかっていうくらい熱い。 冷えていた身体が今度は逆にポカポカしてしまって何だかおかしくなってる。 確かにさっきしたキスは凄く驚いたし頭にきたけど…… よく考えたら気持ち悪いとかの嫌悪感はなかった…男にされたのに… …むしろ…むしろ心地好かったくらい…とか思ったら更に顔が熱くなる。 カァー… 「…もう本当三階…可愛い…やっぱり俺と付き合おう?」 「……か、からかうなよ、横溝」 「はは、ごめん!まさかマジで自覚ないとは思ってなかったから。自覚させない方が良かったかなぁ。正直に言って…成谷先輩に三階を渡したくない」 「渡したくないって……」 「粉川と付き合っているのに三階にキスするような奴だぞ!先輩だからってそんなこと許せない!」 プンプン怒りながらティーカップの中身の紅茶ををイッキ飲みする横溝… 「カッコいいからとかとかお金持ちだからと言ってあんなに誰にでも手を出すような軽い男…絶対駄目だ!……って…俺…さっき…成谷先輩に結構凄いこと言っちゃった気がするんだけど…」 「…タラシって言ってたよ」 「……は、あはは……ヤバい俺干されるかも…だって何で具合の悪い三階にキスしてんだって思って。頭にきて…」 「あ、そうだった…式辞お疲れって言われたんだ。誰かに原稿すり替えられててさ…焦った」 「え"!ちょっ何それ!」 「……うん」 横溝にさっきの式典で起こったことを説明した。

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