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第68話

成谷 「そうすか…」 … スッとモデルたちの輪から離れ会場の外廊下へ出た。 スタッフたちが慌ただしく行きかう中掻き分けて専用のフィッティングルームへ向かう… モデルたちに用意された簡易のフィッティングリームがいくつかありその一つの仕切りのカーテンが微かに揺れていた。 「タ ケ ウ チさーーーん!」 そう言いながら閉められているカーテンを容赦なく開ける。 …… 思った通り… 羽交い締めされている三階と、開けたシャツの隙間から覗く白い肌にキスしている醜いデザイナーの姿がそこにあった。 さすがの三階もどうしたらいいのかわからないようで涙目になっている。 … 「良かった…ここにいたんですね。雑誌の編集者が呼んでますよ?あーあ、高校生相手にこんなことしたら駄目じゃないですかー」 「…き、きみ…」 「訴えられたらおしまいですよ?…三階のお兄さんには黙ってますから。ほら、行ってください」 微笑みながらそう言えばホッとしたような表情になるから面白い。 「わ、わかった…つい出来事で…三階くんゴ、ゴメン」 「…」 わたわたと同様しまくった後姿に軽蔑の眼差しを送る。 この…変態エロおやじが!!! 「…大丈夫か三階?」 「う、うん…」 「全く…声を上げて助けを呼ぶとかできないのかよ!」 「別の新作シャツがあるからって案内されたんだけど…ちょっと気づくの遅くて…はは」 … 三階の胸元にはいくつか小さな痣ができていて、俺のイライラを煽った。 「そんな痣までつけさせて…ったく…最後まで気を抜くな…いつから来てんだ?」 三階の腕を引き立たせてやり、はだけて露になっている白い胸元をそっと撫でた。 「…一時間前かな…そんなにいるつもりはなかったからもう帰ろうかと思って……た……ちょ…な、なにぃ…」 …三階の胸元のそれが気にくわなくて、同じ場所に唇を這わせた。 そこの部分をチュッと吸い上げる。 「あ、あ、あああああの!成谷…せんぱ……」 「……あのエロデザイナー…マジ…ムカつくな……」 三階の細い腰に腕を回し、胸元に舌を這わす。 白い肌についたあいつの汚い唾液を一つ残らず吸い上げないと気がすまない。 「…!あのっ!本当ちょっと待って…!」 「駄目。待てない…とりあえずあいつがキスしたとこ全部綺麗にするから」 チュッと吸い上げ唇を這わせ…三階の胸元にキスを落とした。 滑らかな肌からあいつの香水の香りが漂う…はぁはぁ興奮しながらこの肌を堪能したのかと思うと頭が沸騰しキレそうになる。 「綺麗って…ちょー!!ちょっと…そんなとこにキス…されてないっ!…んっ!」 ぺろりと舐めて小さな乳首を吸い上げた…ヤバい…止まらない…スゲー興奮する… 少しぷくりと尖った乳首に舌を這わせもっと味わおうと思った矢先… !!!! 「い、いい加減に!しろっ!!!」 「っいっつ!」 バキッと頭を殴られて我に返った。 やべぇ…俺が襲ってどうすんだよ… 「…悪い…」 …三階の顔は真っ赤になっていて潤んだ瞳から涙がポロポロと零れていた。 眼鏡もズレて曇ってしまっている。 あーーーー…そんな顔すんなって…本当にやらかしたな俺… 「悪い…調子乗った…」 …っ! …殴られたし俺のこと怒っているはずなのに…三階は縋るように俺に抱き着いてきた。 …思い切り抱きしめられてしまいどうしたらいいのか戸惑う… でも抱きしめ返すくらい…いいのか? 「…ゴメン…先輩が来てくれて助かった…」 …くぐもった声が聞こえて控えめに抱いていた腕に力が加わる。 … 少しだけ…このままでいたい… …あぁ…… やっぱり… やっぱり俺はこいつに惚れてる…

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