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第73話
成谷
…
あー
はは…
超可愛かった。
怒りながら寝てしまった三階を思い出して、一人車内でニヤニヤしてる自分がいる。
本気で怒ってたのに、体調のせいも溜まったストレスもあったせいかすぐに俺の膝の上で大人しくなり、スースーと寝息が聞こえ始めた。
少し熱っぽいおでこを撫で柔らかな前髪を撫で、頬に触れ鼻をツンツンし半開きになった唇を撫でて遊んだ。
…クソ可愛い。
それに今日は大収穫だ。
今日ここに来て良かった!と思ってる。
大きな収穫は三階の寮の部屋の移動だ。
最上階の部屋は一部屋開いているのを知っていたし、ここで話を切り出せば必ず三階の兄さんは乗ってくれると確信していた。
クソババアとあの変態デザイナーに感謝だ。
三階の兄さん…警戒心は強いが以前から部屋のことは心配していたのだろう即決してくれた。
三階自身は今のあの部屋を気に入っていたのかもしれないが、やはり危ない。
あいつは気がついていないと思うけど、式典で式辞を述べてからさらに三階の人気が高まった。
面白くはないけれど、横溝が常に三階の隣にいてくれたおかげでかなり予防になっていた気がする。
眼鏡をかけて地味な男の子でも華奢な背格好と柔らかい雰囲気は隠せるものではない。
それに実際の素顔は可愛らしい…愛嬌のある整った顔立ちで少し薄い色の瞳は大きく睫毛も長い…確実に危ないだろ。
『先輩の膝…寝心地…良かった…です』
なにそれ?怒りながら言う言葉か?
…好きだと自覚した今、三階のそんな一言に一喜一憂してる俺。
連れて帰りたかった…
あーマジ可愛い…
寝顔をずっと見ていても飽きなかった。
スゲー欲しい。
自分のモノにしたい。
どろどろにセックスしたい。
最高に気持ちよくさせて溺れさせて可愛がりたい。
…
…
うん、決めた。
避けられて殴られてキレられ若干嫌われてる感があるけれど、惚れた責任をとってもらわないとなぁ…
三階千歳。
絶対俺に惚れさせてやる…
それで俺の事しか考えられないくらいどろどろに好きになってもらわないとなぁ…
それくらいハマってもらわないと気が済まない。
「はは…」
三階の可愛い寝顔を思い出してまた笑ってしまった。
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