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第83話
ど!
ど!
どうしよう!!!
「千歳ー?おーい!生きてるか?」
「…」
「返事しろ!キスしちゃうよー?」
「…」
「チューーー。…ったく…いつの間にか俺の千歳を掻っ攫いやがって成谷の奴!」
次の日学校の休み時間、幸と二人で緊急会議。
まずは幸に泣かれてしまった。
で、今頬にキスもされた。
「…こんなに好きな俺の千歳が別の男を好きになるんなんて…!って言うか知ってたけど!まさかの相手が成谷先輩が告って来るなんて!!最上階行ってすぐにそんな展開!!絶対計画的だろっ!!!」
怒りながらポロポロと泣く幸に驚きつつ申し訳なく思いつつ幸の事を抱きしめる。
「さ、幸…さん…落ち着いて」
「…呪いにかけてやる成谷太我あぁぁぁ…」
荒ぶる幸を止めることはできず幸はここに居ない成谷先輩の悪口を言いまくった。
それでもそんな幸のことを攻めることもできず怒る気持ちも全くなかった。
むしろ…凄く嬉しい気持ちになってしまい幸がいてくれて頼もしくて嬉しいと感謝の気持ちを伝えた…
ら、
また泣いた。
「千歳Loveーーーーーー!!!」
さらに抱き締められてシクシク泣かれたんだけど…
「でも…もう時間の問題だとわかってたからいいんだ。千歳が先輩の事好きな気持ちは俺知ってたし…そのことを俺だけが知ってるってことは俺は千歳に信用してもらえてる証拠だから嬉しかったんだ。それに幸って呼んでいい?って聞いてくれた時も死ぬほど嬉しくて…スゲー幸せだった」
「幸(さち)だけに?」
「幸(さち)だけにーーーーーー!!!」
くだらないギャグを言ったつもりなのに二人謎のテンションで抱きしめ合う。
あー!本当に幸に出会えて良かったーーー!!
「まぁ、成谷先輩…式辞の事件で粉川に制裁したのって先輩だって聞くし、部屋の件も千歳は怒ったけど千歳を心配しての事だしぃ…身体のことも考えてくれてるみたいだから…許さないけど少し許してあげる」
「…幸、有難う…って言いたいんだけど…僕まだ何かどうしたらいいのかわからなくて…」
「…」
「先輩はもっと美しくて綺麗な人が好きなんだと思うんだけど…」
「…」
「それに僕…男だし」
「い、ま、さ、ら!!綺麗な人に囲まれてたら飽きるんだって!だから千歳みたいなカワユイ男の子に惹かれたのかもしれないよ?ってそれって…俺じゃなくて先輩に直接聞いてみて!」
「ひぃ」
「先輩を恐るるなかれ!」
そんなことをしていたら予鈴が鳴ってしまった。
はぁ……
昨日のでき事が本当だったのかよくわからなくなってくる。
まさか先輩が僕のことを好きだなんて…
本当に?
いやいや…どうだか…
…ってでもそう言われたし…
く、口説かれた…し…
ああぁぁ…
こういうの全然駄目で…溜息が出てくる。
でも、
…先輩には会いたいなぁ…
やっぱり僕は成谷先輩の事が好きなんだ…
胸がずっとドキドキしている……
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