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第84話
とりあえず!成谷先輩のことは置いといて!
授業だ授業!
…
…
って言うか…すっかり忘れてた!!
体育があるって事っ!
ちゃんと覚えてたらそれとなく授業前に消えたのに…
「千歳って…」
「三階って」
「…何…」
「「…何でもない」」
「お前ら顔が笑ってるぞ!!」
走ってるだけなのに何で笑ってるんだよ!
そりゃ運動は苦手だし!走るのだって平均以下ですけど!!
僕を眺めるクラスメイトや幸の顔が慈愛に満ち溢れている。
仏か!!
絶対こいつら僕のこと馬鹿にしてるっ!
「あー三階に勝てる教科があって嬉しい」
「俺もー」
「三階くんって絶対体力ないよな」
「……」
うう…
マラソンなんて大嫌いだ!4キロ走るって誰が決めたんだよー!
「千歳無理するなよ?」
「ん!幸は自分のペースで走って!」
「…オーケー!じゃ!」
そう一言いい残して幸はあっという間に行ってしまった!
幸さーーーん!凄い羨ましい!!
って…僕……本当体力ない…
ハァ……ハァ……
というかなんでこんな無駄なことしてるんだろう。
体力なくても…マラソンなんて走らなくてもいいじゃないか!
完走したからなんだって言うんだよー!
皆、得意不得意ってものがあってな……
……
ってそんなの考えてる余裕もない!
苦しいーー!!
…
「おーい!あと少し頑張れーー!!」
…あと少しって何メートルだよ!
…
死
ぬ
!
「…はぁ…はぁ…はぁ……」
「千歳お疲れ!ほら水分取りなよ?」
「…もう…もう…嫌だ…ぁ…」
何とか…ゴールできたけど、辛くてその場に座り込んでしまった。
暑い…辛い…足痛い…
「頑張ったじゃん!30人中28位!」
「…さ、幸は…」
「えーと…7位…?」
「な、なんて!…凄…い…」
はぁーーーー!
疲れた!!
呼吸を整えてからごくごくと水分補給をする。
…
もう…マラソンは…卒業だ………
絶対やらない…
僕には向いていない…
足が…筋肉が…痛い……
そしてそして…良くあることで…?
そんな僕の体育での醜態を、当然というのかぬかりない?というのか…あの先輩はずっと校舎の窓からニマニマ見ていた訳で…
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