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第95話
ここに入学したかった理由は色々あるけど、
まずはここがお坊ちゃま学校だからってこと!
非現実な世界がここには広がっていて、キラキラしているんだろうと小さな頃から憧れていた。
好き過ぎて気がつくと、毎年の新人の噂を聞きつけ滅多に出てくることのない学生たちの容姿やプロフィールを作成するのが好きだった。
はぁー!
楽しいっ!
今年からはこの中で間近でこの学校の生徒を眺められるんだ…
毎日がお祭りじゃん!
いやぁ…おじいちゃんにマジ感謝だ。
働いてお給料入ったら何かプレゼントしなくちゃ!
去年は圧倒的に一人…超新人がいた。
その一昨年は超当たり年!!
でもその姿までじっくり…ってなるとなかなか思うようにはいかず、間近で確認ができないのが悔しい。
でも入学式の日。
在校生代表は、生徒会長の野宮 碧人先輩だった。
…
はあああああ…!!!!
すごーい!感動!
オーラ凄いっ!ただモノじゃないあのお方は!
憧れるってレベルじゃなくて、男の俺でも抱かれたい!って思うくらいカッコいいー!!
堂々としていてカッコよくて!
しかもここの学校の理事長さんの息子だ!
身長高いなー何センチくらいかなぁ。できれば足のサイズも知りたい。
この会場で野宮先輩のことを、こんなにも熱い気持ちで見つめているのは恐らく俺くらいだろう!っていうくらい野宮会長を見つめていた。
はぁ……嬉しすぎる…
それともう一人…
大きな体育館ホールの隅に陣取っている管弦楽部。
式典はその美しい演奏で始まり終わる…式典の華やか担当!
その中でも一際目立つ存在の部長…香乃 一智!!
美しい王子様だと言うその姿を是非見たい!
入場するときにちょっとだけ…ちょっとだけ視界に入れることができた!
でも…良く見えなかったーーー!!
他の新入生と被ってその姿を拝めずに悔しい思いをした。うぬぬ…ならば退場の時!その時がチャンス!
あ、あぁ…いた!あの人だ!
一番前の席に座ってバイオリンを弾いている!
キラキラしていて美しい!
「君、ちょっと早く行って…」
「あ、ごめん」
少ししか見れなかったけどそれでも満足だ。
…はぁ…体育館も大きいし、
本当にこの学校の生徒になれて嬉しいなぁ…
「君ってどこの中学校?」
「え…えーと…この近くの学校…」
「…ふぅん、そうなんだ」
クラスメイトにじろじろ見られてしまい少したじろぐ。品が良さそうな子でちょっと怖い。あ、でも少し可愛いかな…今年の新人はどんな子がいるのか楽しみだなぁ…
「…君の髪…凄く綺麗だね」
「え、あぁ俺の?本当これ生まれつきなんだ」
「……そうなんだ」
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