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第97話
そんな出来事があって知らない先輩には十分気を付けるように警戒するように心がけた。
…誰にでもホイホイとついて行かない!
よし!
…あんな気持ち悪い経験はもうごめんだ。
何で俺なんかをターゲットにするんだよ…って言うかあんなことするなんて最低だな!
もうひっかかるものか…
だけど、気になる先輩、カッコいい先輩はやっぱり見に行きたい!
…
ちゃんと綺麗に畳んだハンカチを見つめる。
丁寧に洗ったし頑張ってアイロンもかけた…
あのお方にまた会いたいなぁ…多分先輩だよね?あの人が助けてくれたおかげで今の俺がいる!
ちゃんとお礼を言いたいしまた会いたい…
ひと目につきやすい行動をとらなければいいんだ。
地味に…気配を消して…コソコソ…壁に張り付いて茂みに潜んで…
うん…
これで行こう…
「あ、三階先輩」
「本当だ」
!!!!
「ど、どこ!!どこ!!」
「え!びっくりした!佳川…ほらあそこ」
あ!!!いたー!
去年の大型新人、三階千歳先輩!遊歩道で発見!
か、かわーーーーー!!!
で、ほそーーーーーー!!
癖っ毛の髪の毛は柔らかそうでほわほわしているし、肌は透明感があって白くてとっても綺麗だ。
小柄な体格だけど、なんだろうオーラが他の生徒と違っていて本当カワイイ王子様だ。
また眼鏡萌えーーー!!
今日!幸せ過ぎる!!!見れてよかったー!
それとまた隣を歩いてる人も、綺麗で黒髪が美しく並んで歩いてると凄く絵になった。
はぁはぁ……繊細そうなそのお顔が…
?
どこかで?
見た…な俺…
!
あ!
「あ!佳川ー!もうすぐ授業始まるよーー!」
あの人だ!!!俺を助けてくれた人!
「あのすいません!!」
思い切って先輩に声をかけた!
三階先輩とその人が立ち止まりこちらを振り返る。
…
わ、
わーーーーーーー!!!
「はい?」
きょとんと見つめる瞳が眼鏡越しに俺を見つめている。
あわわわ三階先輩の透明感半端ないー!
でも用事があるのは三階先輩ではない。
その隣で俺のことをじっと見つめている黒髪の人と瞳が絡む…真面目そうで繊細な顔はとても綺麗だと思った。
「あ、あの……!」
「…何?」
「好きです!!」
「「」」
「」
?
「あっ!!!ま、まま間違えましたっ!!!」
「え!」
「…」
「ご、ごめんなさい!!間違えました!本当に!あの!全然っ!あのこの間助けて下さって!有難うございました!!あ、でも先輩のことは好きです!命の恩人だからっ!」
一気に恥ずかしくなって焦ってしまった!
何言ってんだ俺はーー!!
「ふふ…」
「…千歳…笑わないの。この間は災難だったね…もう大丈夫?」
「は、はい…大丈夫です」
「そう…良かった」
「…あ、あの……お名前を!」
「え…」
「二年の横溝 幸って言うんだよ」
「ちょ…何で千歳が言うんだよ」
よこみぞ さち…なんて素敵な名前なんだぁ…
「あ、有り難うございます…俺、一年の佳川 鈴って言います!あの、あのっ!」
キーンコーンカーンコーン
「あーーー!!!予鈴っ!ヤバ!し、失礼します!」
ペコリとお辞儀をしてダッシュで教室へ戻った。
はぁー!間に合ったぁ…
…
凄い…ドキドキした…まだドキドキが止まらなくて…興奮してる自分がいた。
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