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第99話
……
そうは言ってもさぁ…
ねぇ?
迷惑って言われてもさぁー…気になることはやっぱり気になってしまうタイプで…
…
…すすす…
ストーカーじゃなくて、追っかけなんです!
横溝幸先輩LOVE。
今日も控え目に…控え目に熱視線。
気になったらもう横溝先輩への想いが止まらない!
昼食と放課後だけに絞って横溝先輩を追跡。
ふむ…やっぱり三階先輩と一緒にいることが多い。
はぁ…
…横溝先輩って三階先輩のこと…とっても大切にしてるんだなぁ…あんなに優しい笑顔になるのは三階先輩といるときだけな気がする。お互い信頼し合っているんだろう、二人の醸す雰囲気は……言いたくないけどラブラブだ。
…ズキズキ…
…
ちょこっと切ない…けど…
三階先輩…可愛いから仕方ないというか、三階先輩なら許せる。
だって三階先輩も横溝先輩のこと好きだって見てればわかるから。
しかし可愛い…眼鏡してなかったら本当ヤバい気がするー!
「何…佳川って三階先輩目当てなの?無駄無駄ー」
「え」
残念ながら三階先輩じゃねぇさ!
「三階先輩には三年のあの成谷先輩がいるから指一本触れられないぞー。あの二人付き合ってるらしいから」
「そ、そうなの!?付き合ってるって…こ、恋人ってこと?」
「当たり前じゃん。男同士のお付き合いってやつ?」
「はーーそうなんだ…へー」
い、言われてみたら三階先輩って成谷先輩がランチルームに来たとき、少し雰囲気が変わった気がする。
柔らかさに甘さが加わったみたいな…成谷先輩と二人自然体でつい見とれてしまったくらいだ。
「…てっきり佳川もそういう目で三階先輩を見てたと思ったけど違うんだ」
「え、俺?全然!っていうか俺が見てるのは三階先輩じゃなくて横溝先輩だし!」
「…え、マジ?…横溝先輩って……あれだろ…」
「あれ?あれって何?」
「……な、何か…一年の時に同級生に…乱暴されてたって噂…知らないの?」
「ら、乱暴…?」
「相手はもう学校はいないみたいだけど、かなりヤバい奴だったみたいだぞ…無理矢理犯されてたみたいな…被害者何人かいたみたいだけど、特に横溝先輩への執着が凄かったらしいよ」
「……そんな…何かの間違いじゃ…」
「でも実は凄いエロ好きなんじゃないかとか、淫乱だから相手がハマったんだとか変な噂もあったり…あの三階先輩と凄い仲良いから誰も表だって言わないけどね……って…佳川そんな顔するなよ!あくまでも噂だから!」
…あんなに綺麗で繊細な…優しい横溝先輩がそんなことされてたとか、してたとかあり得ない!無理矢理とかって…俺がされたみたいに?もっと酷いことされたの?あの横溝先輩が?
「一年生って先輩に目をつけられるとヤバいらしいよ。ムラムラすると相手は男でもいいみたいな?佳川気を付けろー」
…すでにされました…ってでも未遂だったけどね!
横溝先輩が助けてくれたんだ…
あの時の横溝先輩は本当俺にとっては白馬の王子様だった。
あのままだったらどうなっていたのかと思うと考えると怖い…
…
俺は…やっぱり……横溝先輩にもっと近づきたい。
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