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第102話

… 今日は俺の小テストが、ランチルームの目の前に貼りだされていた… 「バカ」って赤ペンで書いてあった。 …数学の10点中5点…の結果… くすくすと他の生徒に笑われる中、セロテープごとぺりっと剥がして回収。 担任の先生に言ってみたけど、犯人が出てくるわけでもなかった。 …ランチルームにはさすがに恥ずかしくて行けず、一人校庭の隅のベンチで売店で買ったサンドイッチを頬張る。 サンドイッチ… いまいち美味しくねぇ… なんか味しねぇ… もぐもぐと食べながら両脚を投げ出し足首を左右に意味もなく振る。 … 学校… 楽しくないなぁ最近… あんなに毎日ワクワクしてたのに、それが嘘のようにない。 横溝先輩も三階先輩も最近お目にかかる暇がない… 暇っていうか心の余裕がないっていうか… 「まーじ!下駄箱に金魚うけたー!」 !!!? え 後ろの方から突然聞こえてきた声に心臓が跳ねた。 声が近づいて来るのに急いで食べ物を片付け、近場の茂みに隠れる。 … ドキンドキン 今の…今のって俺の話じゃ… 二人の生徒が俺がさっきまで座っていたベンチにドカリと腰掛けたので、そのまま茂みに隠れ身をひそめる。 「にしても地味な虐め好きだよなー!そんなに頭にきたのかなあの新入生君に」 「可愛いから頭に来てるんだよ。新顔は潰しておきたいんじゃないの?で、どうなの三階…今日やるの?」 ? 「あははらしいよ。バレても誤魔化すとか大丈夫とか言ってたけど?さすがに俺はヤバいと思うけどなぁ…成谷が切れんじゃね?まぁでも見てみたいけどな。頭からバケツ被った三階!かっわいい!」 「でもあいつやる気満々だったしーそんなにぞっこんなのかねぇアキちゃんにさ」 … 「イイとこ見せたいんじゃねーの?ランチ後、三階がトイレに行くところを狙うんだっけ?事故を装うらしいけど…無理だろ。捨て身作戦してちょっとでも喜んで貰いたいんじゃねぇの。つか良くそんな行動パターン調べたよなぁ。…執念だな」 ちょ! これってマジ? 俺の金魚話は置いといて! 三階先輩がヤバいんじゃないの!!? 笑いながらその場を離れた先輩らしき二人が立ち去るのを確認し、勢いよく茂みから飛び出して反対側の中庭の方へダッシュで向かう。 そこから校内に入り一番近い階段を上がれば、ランチルームまでは直ぐだ! 三階先輩たちの行動からして、そろそろ食べ終えてランチルームを後にする頃。 だって!暫くずっと追っかけしてたから、先輩たちの行動パターンは俺の方がよく知ってる!!! 食後にトイレに寄るのも知ってるけど、そこの洗面所で手を洗うくらいだったと思う! …ぐぬぬーーーー!! くっそう! トイレに行かないとっ! 三階先輩ー!おトイレ行っちゃだめだーーーー!! もう時間的に遅いかもしれない…でも…でも間に合うかもしれない! 他の生徒を避けつつ急ぐと、丁度横溝先輩と三階先輩が話しながらランチルームから出てくるところだった。 って目視で確認したところで滑ってずるりとこけた! 「っい!」 とっさに肘をついてしまい肘に痛みが走る! 起き上がりながらもう一度確認すると、既に三階先輩の姿はない…横溝先輩がランチルームの前で一人佇んでいた。 え! やっば!!! ダッシュでトイレに向かう。 横溝先輩がチラリと慌てる俺を見て顔をしかめた気がした。 … わーんやっぱり美しい! って頭の片隅で感じつつも、俺の視界に入った前方の人物を確認。 華奢な肩とふわふわな髪の毛が印象的な三階先輩が、綺麗な白い手洗い場で手を洗おうとしているところだった。

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