121 / 142

第121話

あわわあわわ緊張する中。 野宮生徒会長を中心に、今回の事件を俺がどう知ったのか、俺の身の回りの嫌がらせのことについても話をしていった。 良く考えたら、俺の嫌がらせの話をしていた奴らから三階先輩を貶める話を聞いた訳で…犯人が同一人物の可能性が高いことがわかった。 あの時…あいつらが誰かの名前を言っていた気がするんだけど……頭を打った衝撃のせいか思い出せない…何だっけなぁ…… あとは野宮先輩から質問されたのを答えていく感じなんだけど… 周囲から聞き込み済みのようで、答え合わせをしていると言った感じだった。 はじめは怖い人だって野宮先輩のこと思っていたけれど、全然そうじゃなかった。 話し方聴き方は優しくて、見た目とのギャップに戸惑ってしまったけれど…話し終わるとすっかり俺は野宮先輩のファンになってしまっていた。 この男前な容姿、大柄で存在感があって太めの眉は凛々しく意志の強さを感じさせる。 何よりも頼りになる包容力!! 「…ふぁ、ファンクラブ!作らねば…!」 「…もう会長のファンクラブある…」 「えっ!」 「ちなみにここの人たち全員ファンクラブあるよ」 「え!?横溝先輩のもですか!!?」 「…なんで俺の…あるわけないでしょ」 「あーなんだよかった。じゃ、俺が立ち上げますね。ファンクラブ会員No.1は俺なんで~」 「…や、やめろ!」 こんなに豪華なメンバーに囲まれていて緊張していたのに、それが少しづつ解けていくのがわかった。野宮先輩が優しいのと、やっぱり隣に横溝先輩が居てくれたおかげだと思う。 「……じゃ、会員No.2は、僕でお願いしようかな」 !! 目の前で瞳をキラキラさせて、手を挙げているのは紛れもなく三階先輩で俺と横溝先輩も驚いてしまった。 「ち、千歳!冗談やめろって!」 「え!あ!イヤ!三階先輩差し置いて俺!じゃぁ俺No.2でいいです!No.1は三階先輩に譲るんで!!どうぞどうぞ!」 「えー佳川ーじゃぁ俺のファンクラブも入りなよー?管弦楽部の後輩が管理してるからー」 そう言いながら香乃先輩が俺を抱きしめながら耳元で囁く。 「こ!香乃先輩もこいつ揶揄うのやめてください!」 「揶揄ってないよ。本気も本気…横溝って何?こいつのお母さん?あ、保護者?ちょっと過保護じゃなーい?佳川ここ痛そう…傷跡残らないといいね…」 抱きしめつつも頭部の傷口を心配してくれる香乃先輩に胸がキュっと締め付けられた。 そして…凄く…凄く…いい香り!!!花の香りだろうか?とても優雅な香りが香乃先輩からダダ漏れでドキドキしてきてしまう。 黒髪はサラサラと靡いて華やかな美人顔の香乃先輩は男らしい野宮先輩と違って、どっちらかというと女性らしい中世的な雰囲気が漂っている。 …ファンクラブ…絶対入ろう…心に誓った。

ともだちにシェアしよう!