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第123話
「じゃぁ…教えてあげる…つまらないぞ?」
「…いいよ、知ることができるなら」
「……っとに…可愛い…」
…あ、あ、
あ、あああ!!!
目の…目の前で…!
成谷先輩と三階先輩が大接近し…キ、キスを…唇が重なりそうに!!つか!重な…っ!!
っていうところで目の前が真っ暗になった。
え"!
「はーい、良い子は見ちゃ駄目だぞ」
「え!み、見たいっ!」
横溝先輩の手で目隠しされてしまった!
「やだ!絶対見たい!ちょ!ちょっと先輩離してっ!」
「はーい、今もうシテまーす」
「ええええええ!!実況ーー!!?イヤだ!生!お生で見たいっ!切実に!」
バッと横溝先輩の手から逃れだけれど、目の前の先輩達はもうキスをしていなくて…その変わりに三階先輩が、必死になってる俺を見て肩を震わせながら笑っていた。
…み、三階先輩って良く笑う人なんだなぁー。
笑いすぎて成谷先輩に背中をよしよしされていた。
三階先輩を見つめる瞳はとても優しくていとおしそうだ。
こがわって人との関係知らないけど、本当に過去の人なんだろうなって思う。
…こがわ…
「こら、話が脱線してるだろ本題に…」
「ああっ!!」
こがわ…あき…って…
「アキちゃんだ!!あいつらっ!アキちゃんって言ってた!!アキちゃんにぞっこんとか気を引きたいからやるとかなんとかっ!」
思い出した!!
「……そうか…これで三階の事件の方も粉川がらみか…やれやれ」
「え」
「佳川の嫌がらせ…あれは粉川の仕業だ。調べたら図書室で君にちょっかい出した奴は粉川の取り巻きで、粉川のお気に入りの奴だったらしい。自分のお気に入りが君に手を出したのが許せなかったみたいだな…」
「え、えー!」
「……佳川の部屋の庭…実はあそこには防犯カメラが設置してある。以前の住人の保護者が庭の柵を修理した際、心配して内々に設置したものだ。それにバッチリ…ベランダに泥をまく粉川が映っていたよ…下駄箱やその他の嫌がらせはどうかわからないけどな」
「…な、な!」
「動かぬ証拠があるから、言い逃れは出来ないだろうけど…三階の事件の方でも関わっている可能性が出てきた…この実行犯は実は粉川の為にやった訳だ。しかし残念ながら佳川によって未遂に終わっている…君は恨まれるだろう。あいつの取り巻きは…たちが悪い…」
!
急に横溝先輩に身体を引き寄せられたと思ったら、先輩の膝に寝転がる状態になってしまった。
「…粉川がカスなら、取り巻きもカスです!」
横溝先輩の綺麗なお口からカスなんて言葉が!
そう言い放った横溝先輩は気高く凛々しくて、下から見上げていた俺は、先輩の白い喉元に見とれていた。
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