123 / 142

第123話

「じゃぁ…教えてあげる…つまらないぞ?」 「…いいよ、知ることができるなら」 「……っとに…可愛い…」 …あ、あ、 あ、あああ!!! 目の…目の前で…! 成谷先輩と三階先輩が大接近し…キ、キスを…唇が重なりそうに!!つか!重な…っ!! っていうところで目の前が真っ暗になった。 え"! 「はーい、良い子は見ちゃ駄目だぞ」 「え!み、見たいっ!」 横溝先輩の手で目隠しされてしまった! 「やだ!絶対見たい!ちょ!ちょっと先輩離してっ!」 「はーい、今もうシテまーす」 「ええええええ!!実況ーー!!?イヤだ!生!お生で見たいっ!切実に!」 バッと横溝先輩の手から逃れだけれど、目の前の先輩達はもうキスをしていなくて…その変わりに三階先輩が、必死になってる俺を見て肩を震わせながら笑っていた。 …み、三階先輩って良く笑う人なんだなぁー。 笑いすぎて成谷先輩に背中をよしよしされていた。 三階先輩を見つめる瞳はとても優しくていとおしそうだ。 こがわって人との関係知らないけど、本当に過去の人なんだろうなって思う。 …こがわ… 「こら、話が脱線してるだろ本題に…」 「ああっ!!」 こがわ…あき…って… 「アキちゃんだ!!あいつらっ!アキちゃんって言ってた!!アキちゃんにぞっこんとか気を引きたいからやるとかなんとかっ!」 思い出した!! 「……そうか…これで三階の事件の方も粉川がらみか…やれやれ」 「え」 「佳川の嫌がらせ…あれは粉川の仕業だ。調べたら図書室で君にちょっかい出した奴は粉川の取り巻きで、粉川のお気に入りの奴だったらしい。自分のお気に入りが君に手を出したのが許せなかったみたいだな…」 「え、えー!」 「……佳川の部屋の庭…実はあそこには防犯カメラが設置してある。以前の住人の保護者が庭の柵を修理した際、心配して内々に設置したものだ。それにバッチリ…ベランダに泥をまく粉川が映っていたよ…下駄箱やその他の嫌がらせはどうかわからないけどな」 「…な、な!」 「動かぬ証拠があるから、言い逃れは出来ないだろうけど…三階の事件の方でも関わっている可能性が出てきた…この実行犯は実は粉川の為にやった訳だ。しかし残念ながら佳川によって未遂に終わっている…君は恨まれるだろう。あいつの取り巻きは…たちが悪い…」 ! 急に横溝先輩に身体を引き寄せられたと思ったら、先輩の膝に寝転がる状態になってしまった。 「…粉川がカスなら、取り巻きもカスです!」 横溝先輩の綺麗なお口からカスなんて言葉が! そう言い放った横溝先輩は気高く凛々しくて、下から見上げていた俺は、先輩の白い喉元に見とれていた。

ともだちにシェアしよう!