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第5話

「本当にやめろって、嫌だ……ふざけん、っ」  胸をさわさわと揉んだ後、へそを擽るように指先でつつく。ぴくん、と体が跳ねて、零夜がクスクス笑いをもらした。 「お前ヘソも弱いの? 意外と弱点だらけな」 「うるさい」 「ネコも余裕でいけそうじゃん」 「は? ネコとか無理に決まってるでしょ。俺はタチ。バ、リ、タ、チ」  強調するように一音ずつ区切って言えば、零夜はニヤリと顔を歪ませる。 「じゃあ試してみる?」 「はぁ? そんなことしたら許さないから」  ズボンのベルトを外され、ホック、ジッパーと手際よく脱がせていく彼に、本格的に焦り始め抵抗を強める。だが、ジタバタと踠いても、不利な体勢と、酒が回って力の入らない体では、逃げ出すことはできなかった。  下着を下ろして、自身をクニクニ揉んだ後、握って扱き始める。大事な所を直接握られると、体は動かなくなるもので……、抵抗は形だけとなった。それに気を良くした零夜が、扱く手にさらに熱をこめ、次第に俺の息もあがる。 「零夜、待っ……はぁ、っ、お前、うますぎ」 「……まあ、伊達に十二ヶ月連続ナンバーワンやってないし」  緩急をつけて扱く手付きは絶妙で、このまま身を任せてしまっても良いような気がしてくる。出すだけならば。 「ははっ、可愛い」 (だけど、やっぱり……むかつく)  無駄に暴れても意味がないので、隙をついて攻守交代を狙う。しかし、酔っ払った俺の考えなんてお見通しなのか、彼は隙を見せる気配はない。

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