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第1章-3
女性にしか訪れない“月経”
一般的には小学校高学年から中学生の間で初潮を経験するらしいが、カノンの場合はまだ身体が適応に値していないのか、中学卒業間近にやってきた。
国はボクが産まれてからすぐに両親と引き離そうとしたが、両親はそれを強く拒否し、せめて最低限の子育てはさせてくれと、初潮を迎えるまでは様子を見る事を約束させた。
そして、ついに来てしまった初潮。
朝起きると、下着に少量の茶色い物が付着していた。不安に思い両親に相談すると、これからお前は国の管理が行き届いた場所に身を移すことになると言われた。
急な身体の変化に不安だったボクは、間髪入れずに説明されたその内容に、茫然自失となっていた。
両親から離れなければならない事。ボクの身体は普通ではない事。後孔に特別な器官を持つボクは、妊娠、それから出産が可能になるかもしれない事。なにより―
“普通に産んであげられなくてごめんなさい”
“普通の子と同じに育ててやれなくてごめん”
そっか、両親は普通を望んでいて、ボクは普通じゃないから離れなきゃならないんだ。
それが両親の望みなら。ボクは望まれたように過ごすしかない。ボクのしたい事?したい人生?そんなの、大好きな両親が望んだ先に、あるんだよ。
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