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第1章-5
「ほぁー!ここが陵北学園…デカいっ」
キャリーバックと大きめのバッグを片手に、新幹線と在来線を乗り継ぎ3時間と少し。たどり着いた陵北学園は、閉じられた門から続く塀の先が、遥か向こうに感じる程に遠い。
ここから見える範囲でも、学園の中は大きく高い校舎に、広い庭や花壇、学校と言う場には不釣り合いなスーパーやコンビニ、ドラッグストアまでもが揃っている。
「あの、新入生の真白花音です。ここに来ればわかると聞いたのですが……」
学園に着いてまず、門の横にある警備室のオジサンを訪ねるよう言われている。名前を言えばわかるし、そのまま寮を案内してくれるって。
「ああ、聞いてるよ。門開けるから入って」
「はい」
自動でギギギ、と音を立てて開いた門の中に入り、寮に案内してくれると言う警備のオジサンの背中を追う。通り過ぎる建物は今の所娯楽施設と言うべきか、映画館やカフェ、カラオケなんて字も見えるのは、ボクの疲労による幻覚や気の所為等ではない。
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