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第1章-10
「えー、稜北学園のこの寮では、全校生徒が生活しています。それぞれの部屋には風呂トイレキッチン付き。完全防音だから、何時に入浴しても大丈夫だよ」
「防音…凄い…」
「料理が趣味って子も居るから、共有スペースの食堂を利用するかは自由ね。一応社会勉強の場でもあるから、洗濯は全て共有のランドリールームでする決まりになっています」
「そこは庶民的なんだ…」
資料の4ページには上半分に寮全体の図、下半分に大まかな説明書きがあった。2階と3階が共有スペースになっていて、2階には寮長室と食堂とテラス、3階には屋内プールとランドリールームがある。
屋内プールって…流石お金持ちって感じするなぁ。
「でも、ここの生徒さんは執事やメイドを雇っている子も少なくないから、生徒自ら洗濯するのは珍しいかな」
「ほぇ……執事にメイド……全然庶民的じゃない…凄い世界ですね、」
「ふふ、これくらいで驚いていたら、花音くんここでやってけないよ?」
「そ、そんなに凄いんですか、この学園……」
唇の端を釣り上げてイタズラっぽく笑って、櫻さんはタブレットを持ち出した。ササッと操作してローテーブルに置くと、ボクが見やすいように傾けてくれた。
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