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第1章-12
「まだまだだよ。各長期休み前には、生徒の親族も参加するパーティもやってるんだ。表向きは今学期お疲れ様ってパーティなんだけど、やっぱり業界関係者が多く在籍してるから、経験を積むという意味も兼ねてるんだよ」
「親族……、」
益々ボクには縁遠い世界だ。親族も参加だなんて。極々平凡な家庭の両親が来たら、好奇の目に晒されるだけじゃないか。
「他にも学園全体でのイベントは沢山あるけど……まぁ、そんなにナーバスにならなくても大丈夫、安心して。」
「安心なんて出来ませんよぅ…」
「はいじゃあ次のページね」
「はーい」
なんだか櫻さんにからかわれている気がする…。それに、隣の御園くんはボクと櫻さんが話すと、さらに不機嫌さが増しているような……
「…これっ!」
「説明するね」
ページを捲ると、今度は寮の部屋の写真と説明書きがあった。個室には三種類あって、普通の高校生の一人暮らしレベルの部屋、ルームシェアなんかで良くあるロフト付きの二人部屋、そして―
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