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泣かないで

室内に戻ろうと扉の前に立つとガラス越しに光輝さんの姿が見えた。 フローリングの床に座り込んで俯いたままだ。 ガラッ! 「光輝さん?どうしたんですか?」 慌てて室内に入り光輝さんの横にしゃがみ込んだ。 光輝さんは俺を見たままボロボロと泣いていて、そんなに俺との事が嫌だったのかと思い愕然としていた。 「・・き・・・らい・・・に・・なら・なっ・・うゔっ・・・。」 嫌いにならないでって言いたいのか? もしそうならこんなに泣いている光輝さんをこのままに出来ない。 抱きしめても良いだろうか? 拒まれたら拒まれた時に考えたらいいよな? 俺は光輝さんの身体を覆う様に抱き締めたが優しくしたかったのに気付いたからかなりの力で抱き締めていた。 「な・・つか・・・わ君。」 「泣かないで下さい。俺は光輝さんを泣かせたくないです。好きだから大切な人だからお願いします泣かないで光輝さん。」 そして抱き締めたら頭の中は真っ白になって思った事を光輝さんに伝えていたのだ。 「僕でいいの?」 思いもよらない返事が来る。 「光輝さんがいいんです。光輝さんは俺でいいんですか?」 俺の気持ちは光輝さんに伝えたから今度は光輝さんの気持ちを確認しないといけない。

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