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私の初恋

「あぁ…でもそう言えば…まなもキスマークあったなぁ…」 「!?」 「杉田マジで!?」 「あーでも杉田は一途っぽいよな?」 「ちょっと杉田隠してないで見せろよ!!」 「や、やめっ…」 クラスの窓側の方で男の子たちが大きな声でお喋りしている その声が教室の逆の隅にいる私のところまで聞こえてきた ………杉田君…彼女さんいるんだな… 「……づ……ちーづ?」 「えっ!?あ、な、なに?夏輝ちゃん?ゴメン聞いてなかった」 「もー、また杉田学?」 「ち、ちがうよっ!!も、もう私フラれ…フラれちゃったし……」 「やだ、自分で言って自分で暗くならないでよ~」 「………」 私の名前は桜井千鶴(さくらいちづる)、17歳、3月3日生まれ、B型、中学時代のあだ名は市松人形… そしてこの間の2月14日バレンタインデーに高校に入ってからずっと片思いしてた杉田学くんに告白して好きな人がいるからとフラれました… でも杉田くんは私が上手に話せなくてもちゃんと最後まで聞いてくれたし、お返事もしっかりしてくれたから後悔はしてない 杉田くんのそういうところが好きだった… 初恋だったし、もちろんしばらくは悲しかったんだけどしばらくしたらそれもしょうがないかなと思えるようになって… でもそんなときに進級のシーズンになって心機一転して頑張るぞって思ったら杉田くんと同じクラスになって… も、もちろん!!いやなんてことは絶対にないんだけど正直どうしたらいいかわかんなくて… 始めのころは杉田くんも戸惑ってたみたいで申し訳なかったんだけど杉田くんは優しいから最近はおはようって言ってくれるようになった でも、だからよけいに忘れるどころか…そ、その…す…好き…だなぁってなっちゃって… 「ちづ、声に出てる声に出てる」 「!?」 ぽーっと男の子の円の中心で顔を赤くしながら怒ってる杉田くんを眺めてたら友達の夏輝ちゃんにそう言われてあわてて口を押えた は、恥ずかしいっ!! ちなみに夏輝ちゃんは一年生の時から同じクラスで私の唯一のお友達… 可愛いし明るくて人気者で私の憧れの女の子… 私もこうやって明るくお喋りできたらなぁ… 「き、聞こえたかな…」 「さぁ?でも聞こえてないんじゃない?なんか忙しそうだし」 夏輝ちゃんが指をさす方を見ると杉田くんはピンクの人の肩を掴んで揺さぶってた ピンクの人って言うのは杉田くんのお友達みたいですごく背が高くて髪の毛がピンク色なの なんかカッコいい名前だった気がするけど難しくていっつも忘れちゃうからピンクの人って呼んでる いっつもクラスのお化粧とかしてる女の子たちがカッコいいって言ってた 「でもさー、ちづまだ好きなんでしょ?杉田のこと?」 「な、夏輝ちゃん!!こ、声がおっきいよ!!」 「…ちづのほうが大きいよ…で、好きなんでしょ?どうなの?」 「……す、好き…だけど…」 「いいじゃん、なんでそんなナイショにしようとしてるの?」 「だ、だって…杉田くん彼女さんがいるんだって、め、迷惑だよ…」 「なんで?」 「だ、だから彼女さんが…」 「別に好きなのは迷惑じゃないでしょう?」 「……ぅ…」 「それにさ、彼女がいるからって諦める必要ないよ!!奪っちゃえ」 「そ、そんなこと!!わたしできな…」 「できない禁止!!」 「あぅ……」 夏輝ちゃんにびしっとでこぴんされる おでこがじんじんした 「とにかく、ちづ消極的過ぎだよ、男子なんてさ好きじゃない女子とでも付き合えるんだから」 「す、杉田くんはそんな人じゃないよっ!!」 「ごめんごめん…でもほら!!杉田推しに弱そうだし?めちゃめちゃ付き合って!!って言ったら流されちゃいそうじゃない?」 「……そんなのやだよ…」 プチトマトを口に入れながら横目で杉田くんを見る 杉田くんはまだピンクの人とわーわーやっててなんだか楽しそうだった いいなぁ… ピンクの人はいっつも杉田くんと一緒だし…杉田くんの彼女さんも知ってるんだろうな… そう思うとちょっと羨ましかった 私あんな風にお喋りできないし…面白いことも言えないし…グズだし…とろいし………… 心がどんよりと暗くなってしまう だ、だめだ!!またどよどよしてる!! ぶんぶんっと顔を振って立ち上がった と、とにかくっ!!杉田くんには彼女さんがいるのっ!! 「夏輝ちゃん!!トイレ行こう!!」 「どしたのちづ…いいけどさ」 杉田くんの事は置いといて私はちゃんと前向きに頑張るって決めたんだ!! この時の私はあんなことになるなんて思ってもみなかった…

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