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夏の思い出

「……………………」 夏休み明け、授業も始まってそろそろ皆受験モードになってきた 早いやつとかだとあと3か月もしたら推薦決まるんだもんなぁ… そう思うとなんだかさみしくなるな… …………………………… ………銀は…どうするのかな… 隣で机に突っ伏して眠る銀にチラッと視線を向けた ま、まさか…金さんみたいにならない…よな…? そんな事を考えながらボーっと外を見ていたら突然クラスの中心核の男子の声が響いた 「ちゅうもーく!!!」 クラス中の男子も女子もそっちを向く 俺の隣で寝てた銀ですら首を少しもたげてチラッとそっちを見た まぁまたすぐに眠りに戻ったけど… そいつは手になんかのポスター?を持っている 「みんなもうすぐ受験で遊ぶなんてできなくなってくるだろ?だからそうなる前にみんなでぱぁーっと遊ぼうと思って……じゃーん!!」 「……花火大会…?」 「そう!!これ皆で行こうぜ!!!」 「「「「「「「「おぉ~!!」」」」」」」」 そいつが持ってるポスターにはこの辺で毎年夏の終わりにあるそれなりに大きい花火大会の案内が書かれていた クラスの一部から歓声が上がる ポスターには楽しそうな企画がたくさん書かれていた いろんな意見や質問はあったけど、でもみんな勉強ばかりで飽きてたのか否定的な意見は少なかった 「よし!!じゃあ決まりな!!女子は浴衣!!男子もできるだけ浴衣な!!当日はくじ引き用意して男女ペアで回ってもらうから気合い入れて来いよ!!ちなみに頬付だけは紺庄とで決定な」 「「「「え~!!」」」」 女子から大きなブーイングが起こった 男子からはほっと安堵の息が漏れている 男女…か… チラッと俺のいる窓側とは逆の廊下側に座っている桜井さんを見た 桜井さんは今年のバレンタインデーに俺の事が好きだと言ってチョコをくれた 小柄でなんでも一生懸命って感じがかわいらしくて守ってあげたくなる女子ってこんな感じなんだろうなぁと思ったのを良く覚えている でも俺は…す、好きな人がいるし…できるだけ丁重にお断りした それでも泣かせてしまったけど… しかもそれから何のめぐりあわせでか同じクラスになって初めこそお互いギクシャクしたけど今はもう普通に喋れると思う…多分……その…挨拶ぐらいは…… ただもしくじで桜井さんと一緒だったら…どうしたらいいんだろう… 上手く話せる想像ができなくて気分が沈む ………銀はこういうの得意なんだろうな… ぼーっと桜井さんを眺めながめたままそんな風に考えてたらたまたま振り返った桜井さんと目が合って慌てて目を逸らした 「やだやだぁ~あたし銀くんとがいい~」 「あたしもぉ~」 「ね~ぇ?ぎんくぅ~ん」 「……Zzz」 女子から絶大なブーイングが起きてるけど発案したそいつはぶーっと唇を尖らせて知らんぷりをしている 当の本人である銀は爆睡してるし… とにかくこうして俺らのクラスが花火大会に行くことはあっさりと決定した

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